Novel

□蒼樹千晴ルート
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二年の春から喫茶店のバイトをはじめ、やっと慣れてきたかと思った秋頃に

無断欠席のし過ぎでテニス部を退部になりました。

普段運動のバラメーターを上げる気も無く月一度の強制練習日にしか参加しない

あまりやる気のない部員だったので未練もありません。

退部を機に本格的に勉強一本に絞りました。

たくさん勉強して、将来はメールの君と同じ外交官を目指そうと思ったのです。

この時点ではテストの結果を見てもまぁ中の下といったところで

外交官とかとても恐ろしくて口に出しては言えない程度の成績でした。

でも他に目指したい職業もなかったことだし、どうせなら好きな人と同じ仕事をしたいと思ったのです。

まだ出会うイベントすら無いけど。


家と学校で勉強ばかりしていると学力のパラメーターだけが馬鹿みたいに上がりました。

その間色んな人を傷つけただの、感じ悪いだの、色々悪いうわさが立ち

心配した弟がそれとなく教えてくれましたが、本人は全く無視でした。

学校での対人コミュニケーションはこのルートでは取るに足らないことであると

ネットの攻略サイトに書いてありましたから。

今一番重要なのはメールでのやりとりなのです。


年間行事などには形式にのっとって手作りチョコやプレゼントを配ります。

生真面目な性格は作品に完璧を求めてしまい、受け取った人は大抵その完成度の高さにびっくりします。

そして悪くなっていた相手との仲も一時的に回復したりするのでした。

が、自分がした贈り物がまさかそんな役に立っているだとか

自分の周りが贈り物で辛うじて成り立っている対人関係だとかなんてことには当人は全く無関心に

毎年何の意図も無く、ただそうするものなのだと思って形式通りのことを淡々と実行していました。


高校二年の修学旅行は京都/奈良です。

同学年の姫条まどかに一緒に行動しないかと誘われて、断る理由も無いのでそうしました。

夜は好奇心の強いクラスメイトの藤崎奈津美に連れられ、男子の部屋に入り枕投げ。

×、○、×、○。枕を拾っては投げる行為は意外と面白く、久しぶりに勉強以外のことに熱中しました。

テニス部を中途半端に退部になったせいで他のキャラのような必殺技は持っていませんでしたが

それでも良い修学旅行の思い出になりました。
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