6テキスト

□#9
1ページ/2ページ


NO.6 #9感想

自分用メモなので偏ったものですが、一点でも同調して頂けたら嬉しいです。
ネズ紫、紫ネズと腐った脳で固まっていますのでご注意ください。





早く結末を知ってしまいたい、けれど6の世界が終ってしまうのが寂しくてなかなか手を出せずにいた最終巻。
読み返しツアーが#8まで来たので、発売から約二カ月、ようやく挑むことができました。
いつもよりも考察が入ると思いますが、よろしければお付き合いください。






・新刊発売日を心待ちにすること、いつ入荷するか・並ぶか分からない為に発売後数日本屋に通うこと(発売日よりも一、二日遅く店頭に並ぶ田舎に住んでいます)、積まれた真新しい本を手にする感動、表紙の考察、レジに持っていくまでの高揚感、待ち切れずに信号待ちの間に包みを解いてしまうこと、もうないのかと思ったら寂しいです。
物語に隠された謎を知りたいと希求してはいましたが、いざ終わってしまうと悲しいものですね。
中身を読む前から虚無感に襲われて寂しくなりました。
いつの間にか、それだけこの作品に心奪われていたんだなぁと思い知りました。
図書館で#1だけ借り、読破後たまらずすぐに続きを借りに行ったのもいい思い出です。
市内の図書館で続刊が全て貸し出し中で、行ったこともない隣の市の図書館まで頂いた地図を片手に走ったのもいい思い出です(笑)


・P14 末期のキスを気持ち悪すぎると一蹴するイヌカシ
緊張感が走る状況でも笑わせてくれるこのコンビ、最強です。
左下の写真が、殉職した黒犬を思い出させて切なくなりました


・P28 病院へ
#8で紫苑が「病院へ」と言った時から気がかりでした。病院なんて施設は西ブロックにはなかったはず。じゃあどこにネズミを運べばいいのか。
NO.6内なのかと思いましたが、そこへ行くにしても沢山のものが行く手を阻むのでは、と想像して恐ろしくなりました。
刻一刻と迫る死の恐怖、そんな中ネズミを抱えて病院を探すなんて。
恐ろしくて、ネズミに助かってほしくて、必死に縋って続きを読みました


・P34 「渡せ」
ネズミのことになると何をも恐れない紫苑がここにも。
かっこよくて潔くて好きなんですが、今回はイヌカシの怯えが加わってこちらまで怖くなりました。
そしてその後に意識を取り戻して喋るネズミの姿に泣きました。無理しないで、でも絶対に生きてほしい


・P45 「力河さま、ばんばんざーい」
どうしよう、なんだかおっさんが可愛く思えてきました(笑)
錯乱とまでいかないものの、ここまできたら笑うしかない力河の感情が伝わってきました。
あとは本当にこの人は空気を和ませてくれる素敵な人だなぁと。
力河に傾く1%になってしまいそうになりましたが、やっぱり私もネズミにホイホイされてしまうのでだめでした


・P93 「もしかしたらだけど、おまえ、おれに傍にいてほしいか」
イヌカシが言うからいいんだろうなぁと思う言葉でした。なんて直結で縋りたくなる言葉だろう。
いてほしいと頷けば寄り添ってくれるでしょうし、ほしくないと言えば潔く身を引くんでしょうね。
イヌカシが大好きです。犬の目線で人間を見られるからこそ、人一倍人間らしい気がします。
涙の拭い方も慰め方もイヌカシらしくて、紫苑と一緒に嬉しくなりました。イヌカシは立派なママになります


・P120 除菌、殺菌、清拭アルコール
本当に力河さんて! 場面を和ませてくれますよね!
アリアさん可愛いです


・P124 「明かりを消せ」
ネズミが目を覚ましたらきっとすごく泣いてしまうだろうなぁと思いながら読んでいたんですが、唐突過ぎて泣く暇も貰えませんでした(笑)さすがネズミ。
最初は自分の身を守るので精一杯で、紫苑に出会って守ってやらなきゃならないと感じて強くなって、今度は結果としてイヌカシと力河までも守ったんですね。
一人が二人になり、四人になった。犬と小ネズミを入れたらもっと多く。
ネズミは自分の力を決して過信したりしないから言わないでしょうが、こうしてちゃんと守ってくれる人ですよね。
それがネズミに重くのしかかるかもしれないけれど、助けてもらった分、助けられた人はその恩を返そうとする。
口先だけで「守る」とか言ったりしないネズミですが、口に出さなくてもちゃんと信じられる。
力河もイヌカシも、反発はするけれど信じているから言うことに従って。
最初は敵対心ばかりだったのにこうして仲間になれている四人が、とてもかっこいいです。

余談ですが、目を覚ましたネズミの第一声から、記憶が錯綜してしまったんじゃないかと一瞬怯えました。
十二歳の嵐の夜まで戻り、ここまで辿ってきた過酷な出来事を、無意識にでも忘れようと隠してしまったのではないかと。
けれど、そんなことはありませんでした。ネズミはやっぱり強い人ですね


・P159 エリウリアスにコントロールされる人間
これが、今巻一番考えたことでした。
エリウリアスの子供に寄生された人間は、羽化するまで子にとって最良の判断をする。
ということは、十二歳の頃の紫苑の選択はそれに影響されてのものだったのかと。
深読みすると、あの時窓を開けてしまったことさえ。
「壊せ、破壊してしまえ」と紫苑に囁いたのは、エリウリアス、もしくはその子供の意思だったのか、と。
普段の温厚な紫苑と、イヌカシに恐れられサソリに魔だと言われる紫苑。温厚なのが寄生されていることからくるもので、本当の紫苑は後記の方なのか。
寄生された者は自分でもそうと知らないまま、穏やかになり過敏になる。けれど#1を見てみると、紫苑は自分の中の粗暴な感情を恐れている。
恐れる程に感じられるということは、やはり自分の中に元からある意識だろうか。
けれど紫苑に宿された子は羽化に失敗した子供。ということは、死んだ他のサンプルよりと違う意思の働きをしてもおかしくはないだろうか。

……そんなことを考え始めたら、頭の中がぐるぐるになってしまいました。

個人的には、紫苑は元々温厚な子であったが子を宿したことで更に温厚になった。
普段はおとなしく平和主義だが、時折見せる凶暴的な部分も紫苑の一面で、激情すると手がつけられない。
という紫苑でいてほしいと思いました。
こればっかりは想像を巡らせるしかないと思うので、私なりにまとめたらこうでした。
色々考えはするんですが、文章に起こすことがうまくできませんでした。何を言っているか分かりずらくてすみません


・P167 「人間じゃなくて犬が仲間でよかったよ」
イヌカシの、災害や飢餓など起こるべくして起こってしまったことに関してはそれなりに受け入れて生きていけるけれど、人間にしか成しえない人災に関しては免疫がなく露骨に嫌な顔をする、というところがまっすぐでいいなぁと思いました。
こんなことに関して、いいも何もないのですが。
受け入れられることとそうでないこと、受け入れなければならないことと受け入れてはいけないことがある。
そう、イヌカシに教えてもらった気がします


・P195 「逃げるな」
ネズミについていきたいと願うことが逃げになるのかと、辛くなりました。
一概にそうとは言えないかもしれないけれど、そういう気持ちがないわけではないのかもしれない。
ネズミが叱咤できる程に回復して、また紫苑を導いてくれるのが嬉しくてなりません。
けれど、お別れは寂しいです。一緒に、またあの部屋に戻ることができると思っていたので余計に寂しくて寂しくて。
「再会を必ず」と紫苑に向けて言われるとは思いませんでした。別れに驚きながらも目が離せなかったんですが、ここで涙が溢れて先に進めなくなりました。
別れが寂しいのか、ネズミがこうしてまた流れ者になれたことが嬉しいのか、それすらも寂しいのか、物語が終わってしまうのが悲しいのか、一緒にいられないことが悔しいのか、紫苑が新しく都市を作ることに関わることができるのが嬉しいのか、もうわけが分からなくなってここにきてひどく泣きました


・P196 誓いのキス
ここでくるのか……!
おやすみのキスの時と同じく、最初は何をしたのか分からずぽかんとしました。次いで「あっキスした」と。
けれど最初に込み上げたのは、BLうんぬんというよりも本当にこれは誓いのキスなんだなぁという意味の分からない納得でした。
ネズ紫も紫ネズも好きですが、原作の二人はそれ以上の感情をお互いに抱いていて好きです。
作中で何度も「友情でも愛情でもなく」と紫苑が言いますが、本当なんだなぁと思いました。
愛情に勝るとも劣らない、また別の感情であるというか。うまくいえないのですが。
私が知り得る感情で言えば、それはペットと飼い主であったり、子と親であったり、親友同士であったりというものに似ているんじゃないかと思います。
が、特定の枠に入れることはできないそれらを持ち合わせたものなのかなぁ、とも。
二人の関係に萌えたりしている私がそれを言っても説得力はないですが、そういう説明できない感情があるのもまた人間なのかなぁと。
男女関係なく、愛おしいからキスをする。それが二人なんだと思いました


・エピローグ
物語のその後が知りたい派なので、これはすごく嬉しかったです。
イヌカシの手紙も可愛いですね。漢字があまり使われていないのがまたイヌカシらしくて。
冒頭の出典も、#1からで感動しました。長かったなぁ、ここまで来るのに。
一つの季節の中で、二人を筆頭に沢山の人が動いて、不可能だと言われたことを可能にしてしまったんだなぁ。しみじみとそう思いました


・NO.6について
まだ終わってしまった実感はありません。アニメが終わったら、遂に実感して寂しくなるんだろうなと思います。
簡易に「こういう話だよ」とまとめられないのがこの作品だと思います。
人の心の移ろいだとか、信念、愛情以上の思いが絡み合って、一つの都市を崩す、大きな物語。
脇を固める人物にも心があって、誰にでも感情移入して読みました。
楽しかった、面白かったという一言で済ませられない程夢中になりました。
こんなに心に刺さる物言いをしてくる人物を他に知りません。言われれば言われただけ考え、そして好きになりました。
6についてはいつまでも長ったらしく語れると思うんですが、それは皆様と一緒だと思いますので本日はこれくらいに留めます。
まだ興奮冷めやらぬ為、まとまりのない文章で失礼しました。
お付き合いくださり、ありがとうございました。




続きは偏った感想です。





次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ