※続きモノ女装ギャグ。
一部キャラ性格崩壊(かなり崩壊してます)アリ。
心の広〜〜〜〜〜〜〜い方だけに推奨。


















第3話オマケ番外
★望様の憂鬱★






「……………今、何と言った?」


太公望は諸葛亮の言葉に耳を疑った。
陸遜が自分に何かを隠し、そして何故か怒っている事は知っていた。
だがその隠し事の内容と怒りの原因については、皆目見当がついていなかった。
陸遜本人に問おうとしても、取りつく島がなかったから。
あの、衝撃の『大嫌い』発言をされてからと言うもの、
彼が自分を避けていて、近寄ろうとしないのだ。
今思えば、ただ一つだけ、事態の前兆はあった。
陸遜が、外ではあまり近づかなくなった事。
だからこそ、今日は何が何でも理由を問い詰めてやろうと、
そう思っていた矢先、本人の口からではなく、よりによって
陸遜が尊敬してやまない諸葛亮から聞かされた、愕然たる事実。
感じる屈辱よりも、衝撃の方が勝っていた。


「ですから、陸遜は尚香様と共に、呉に戻ったと申したのです。」


「--------------ッ…………なっ何故、戻らねばならぬ。」


自分は今、間違いなく動揺している。
どう考えても、事の成り行きがおかしい。
怒っているとは言え、陸遜はなぜ自分に何も言わずに去ったのか。
例え戻ってくるとしても、2・3日の空白では済まないというのに。
それだけ、自分に対しての怒りがあると言う事なのだろうか。
だとしても、自分には、一言言ってから帰省するべきではないのか。
納得など、いくはずがない。
動揺を通り越して、怒りの色を見せる太公望にもお構いなしに、淡々と諸葛亮が続ける。


「私も理由は伺っておりませんが、暫らくはこちらに戻らないとの事。
 ……………今は未だ、敵にも動く気配はありませんし、問題はないでしょう。」


「……大問題ではないか。………………何故、私に何も言わぬのだ…アレは……」


顎に手を宛て、考え込んでしまった太公望の口から呟かれた言葉は、無意識に出たものだった。
それはあまりに小さくて聞き取りにくいものだったが、諸葛亮は聞き逃さなかった。
何かを察したようにその眼を光らせると、ズバッと核心を突いた。



「……やはり、陸遜と何かあったようですね、太公望殿。」



諸葛亮の言葉に、太公望は目だけを動かし彼を見据えた。
言葉以上の他意はないと思いながらも、
どうしても、彼の言葉には神経を逆なでされる。
それは陸遜が、目の前の男にかなり懐いているせいもある。


「…………何の話だ。」


片眉だけに皺を寄せた後で、太公望は不機嫌そうに吐き出した。
だが、鋭い視線も意に介した様子ない諸葛亮は、太公望を一瞥した
後で視線を外すと、ゆっくりと口にした。


「喧嘩をして里帰りされた、と言うところでしょうか。」


「……………フン、面白い事を言うではないか、貴公。」


あながち間違ってもいないであろうその言葉に、
太公望が口の端を釣り上げて皮肉そうに笑ってみせた。
陸遜が怒っていて、何も言わずに自分の前から去った事実は変わらないから。
その原因が、わからなかったにしても。


「…いずれにせよ、あの子がそこまで憤っているというのも珍しい。」


何かを思い出すように、遠くを見ながら諸葛亮が呟いた。
確かに、あの温和な陸遜がそこまで感情を爆発させる事は、滅多にないかもしれない。
だが自分には、陸遜をそこまで怒らせた事の、身に覚えが全くない。
絶対にない。断じてない。
不意に、諸葛亮が太公望を振り返る。
その眼が、爛爛と見えるのは気のせいか。







「…………………何をしたのです?太公望殿。」













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