☆佐助×幸村☆
□ほおずり
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拍手御礼えすえす(CP=佐助×幸村)
□ほおずり□
「ん……うわっ!?…な……なんだっ…お前は?!!」
「……あれ?」
何時も喜ぶのになんで?
旦那、なんでそんな目でみるの?
「っ…!!…くっ…くせもの!!!」
??
なに言ってるの旦那。わけわからないよ。幸村は布団の上で虫のようにワタワタと暴れ、最後には壁際にくっついてしまった。自分を見る目はまるで見知らぬ者を見るような目で威嚇しているように鋭い。
「な……なにやつ!??いつの間にそれがしの部屋に入った??!」
「…いつも一緒に寝てるじゃない?」
「なっなにを言う!!!それがしと一緒に寝るのは犬の佐助だけだ!!!……そういえば…佐助はどこだ!!??佐助―!」
「……なぁに?旦那。」
幸村は目を剥いた。
いつも幸村が起きると必ず佐助が居る場所に赤毛を逆立てた男がき
ょとんとした表情で気の抜けた返事をしたからだ。
「さ……佐助――!」
「はぁい」
「おぬしではない!!それがしは犬の…」
一瞬、幸村は嫌な予感に捕らわれる、
赤い毛並み。鼈甲色の瞳。柔らかい目元は確かに見たことがあった。ゆるゆると視線を戻しつつ、目の前の男を観察し始める。
「さ……すけ…に良く似ているが…」
クスクスと男は笑い、戸惑う幸村にあっけらかんと答えた。
「やだなー、旦那!オレ様が佐助だってばーははは〜」
犬だった佐助は幸村をよく慕っていて、幸村と寝食を共にする仲だった。
賢くて人懐っこい犬で、雑種の血のせいか赤い毛並みにやや大きめのしなやかな体をした犬だ。確かに人間にすれば目の前にいる男のような背格好かもしれない。
それにしても何故人間になってしまったのだろう。
この前の男に嘘をついてるような素振りはない。鼈甲色の目を覗いても、曇りなく真っ直ぐに見つめてくる。
雨乞いして雨を降らせられると考えれば犬を人間にする事も出来るやもしれぬ……。そんな考えが脳裏を掠めた。
だがやはり…府に落ちない。