☆佐助×幸村☆
□投げ込んだブーケ
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◇投げ込んだブーケ◇
春の日差しを受けて野花達が風にゆれている。
風はここちよい冷たさ
…いや、もう冷たいと表す事もない、肌を撫でる風は優しかった。
「…夢をみた」
目をうっすら開けて幸村は眠りから覚める。
側に腰を掛ける忍はどんな夢か聞いた。
「お前とお館様と天下を取って宴をする夢だ」
忍は笑う。
「きっと現実になるよ」
――生きてさえいれば。
続けて言って、遠く燃える砦を二人で見つめる。
「――旦那さえ生きて居ればきっと叶うさ…。」
「だが…お館様は…。」
伏せた睫が濡れている。
佐助は強く幸村を抱き締めた。
END