めいん
□居酒屋クライシス
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――ジミーの馬鹿ー!!
銀時、心の叫び。
「よ、よぉ、…真選組は忘年会か?」
「そうなんですよ。旦那はお友達さんとですか?」
邪気のない山崎の質問に銀時も答えざるをえない。
「そ、そう…長谷川さんていうんだ」
「……ほぉ…長谷川ねぇ…」
低音の呪われそうな声が山崎の後ろから発せられ、見ると目が異様に光った鬼の形相で睨んでいる土方がいた。
「トシー!!ほらほら!座敷に行って行って!今日は飲んで食うぞー!!」
全体重を掛けて急いで土方を銀時の目の前から離し座敷に押し入れた近藤だったが、その座席は銀時たちの背中が見える真正面だったので泣きそうになった。
「なぁ、銀さん。なんか肌寒くねぇ?暖房が聞いてねぇのかな?」
2本目の銚子をカウンターに置きながら腕をさすっている長谷川を見て銀時は溜め息を吐いた。
「いや…暖房のせいじゃないからね。…長谷川さんよ、こないだ…恋人が出来たって言ったよな」
「ああ、出世頭の随分気前のいい男前って言ってたろ…確か幕吏の人間だとか…」
銀時は両手で顔を覆いカウンターに項垂れた。
「今いる…今入ってきた奴らの中にいる…」