めいん

□銀八先生物語 土方編
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桜乱れ散る4月。銀魂高校に通う土方十四郎は3年生で受験生となった。

――新しい…教諭か…


銀魂高校は二年生のクラスがそのまま三年生になる持ち上がりな上、担任も変わらないのではっきり言って進級しても楽しみはない。

だが二年生の時の担任は定年退職したのでZ組の担任だけ新しい先生が来るのだ。


陽光が差す通学途中の電車内、つり革に掴まっていた土方は他校の女性徒のヒソヒソ声が耳についた。

「ねぇ、あの人すごい髪の色よね」

「頭に桜の花びら乗せて寝てる…可愛い」


クスクス笑いが耳を擽り土方は無意識に女性徒が噂する人に目を向けた。


日の光を背に受けて、あどけない顔で座席で寝ている男がいた。白いシャツにグレーのズボン。眼鏡が少しずれている。目の覚めるような銀髪がふわふわと揺れていた。髪に桜の花びらが挟まり桜色も銀色も映えて美しかった。


「んあっ…」


目が覚めたのか涎を垂らして目をコシコシ擦る幼い仕草にドキッっとした土方。


――えええ?ちょ、男なんですけど!いや確かに顔は可愛いけど男にドキッはないよね?今の擬音間違いじゃね?
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