めいん シリーズ2

□高杉兄弟2 救済
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銀時の身請け話当日、煌めき華やいだ老舗ホストの朝は死んだように静寂に包まれていた。そんな中、オーナー神楽の甲高い声が誰もいないホールに響き渡った。


「金時っ!どうしたアル、その顔は!」

「顔が…目まで腫れて…誰です?誰がこんなことを…」



早朝に現れた銀時の頬と瞼はテーピングで止めたガーゼの下からでも赤黒く腫れあがっているのが分かり見ているだけで痛々しかった。すっかり変わり果てた姿をした銀時に神楽と新八は息を呑み矢継ぎ早に質問を捲くし立てた。


「あ〜…気にしない気にしない。最後の客がタチ悪かったんだよ。ちと手を切るのにゴタゴタしただけだ」


金色の髪をガリガリと掻いて銀時は新八が用意した熱いコーヒーを飲み顔を歪ませた。どうやら口の中も切っているらしい。


「タチ悪いって…確か銀さんと最後に店を出たのは魔死呂威組の…」


――銀さんにかなり入れ込んでいた顔に傷のある若頭……


神妙な顔で考え込んだ新八に銀時は慌てて無理に笑う。


「気にすんなって。後腐れないかと思ったらたまたましつこかっただけだ。俺が客を見る目がなかったんだよ」
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