めいん シリーズ2
□高杉兄弟2 実弟
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『銀時に会ってくれ』
まったく話を聞かない晋助は晋のその一言に足を止めた。今しかないと晋は話を続けた。
「あいつは…銀時はすごく傷ついている!ボロボロのボロ雑巾みたいに…頼む、あいつと会ってくれ!お前じゃなけりゃ…あいつは救われない!」
返事はない…が、晋助はその場を動こうとはしなかった。ただドアに体を向けているのでどんな表情をしているのかは窺えなかい。
恐ろしい程の沈黙が流れた後だった
「それは………仕事の依頼か?」
「し…仕事?」
予期せぬ返事が帰って来て晋は素っ頓狂な声を上げた。
「ああ、今はどんな事でも引き受ける万事屋をやってんだ。まぁほとんどはヤバめな仕事だけどな。その依頼だって言うなら…引き受けてやらなくはない」
――万事屋…ヤバめな仕事…
大学を辞め、まさかそんなヤクザな仕事をしているとは知らず晋は茫然とした。だが晋助と銀時を会わせる唯一のきっかけ、すぐに晋はその条件に飛び付いた。
「……分かった。仕事として依頼する。銀時と………会ってくれ」
「…………ふん、引き受けてやるよ。前金として経費を払ってくれよ、お客さん」