もらいもの

□愛しくて
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攘夷志士の中でも要注意人物
高杉晋助はかぶき町へと来ていた


本来京に身を潜めているはずの人物が何故こんな天敵だらけの所に来ているかと言えば恋人に会うためだ

恋人、とは万事屋のオーナーこと坂田銀時のこと


高杉は久々に恋人に会えることで上機嫌だった

周りから見ても気持ち悪いと思われるような妖しい笑みを浮かべながら恋人のいる万事屋へと足を運んでいた


途中、ふと綺麗な銀色が目に入った

「銀と…」

ソノもとへと近寄ろうと思うがふと足が止まる

そこに居たのは間違いなく恋人だった
が、隣には天敵である真選組隊士、しかも鬼の副長と呼ばれる土方十四郎だ

(何でアイツと一緒に居るんだよ…)

少し離れた所から2人の様子を見ていた

銀時とアイツは団子を食べていて、銀時は楽しそうに笑っている、そしてアイツは満更でもない様な笑みを浮かべている

(気に食わねェ…)

そう思うが今ここでアイツ等の所に出て行っても明らかに俺の方が不利だ

鬼兵隊の奴等は京において来たし、何よりここはアイツが率いる真選組の屯所近くだ

「…チッ」

ここは大人しく様子見しとくか

と思っていると2人はもう食べ終わったのか土方の方が支払いをしていた

暫くその様子を見ていると2人はわりとすぐに解散した

銀時が見えなくなってからすぐに高杉は土方の方へと駆け寄った


息を殺し近付くと…
腰にさしてある刀を思い切り振り上げた

ギンッ!!

鉄同士がぶつかり合う音が路地裏に響く
土方が間一髪のところで自らの刀を抜き高杉の攻撃を防いだのだ

「テメッ、高杉ィ!!」

「……銀時と随分仲が良いみたいだなァ」

言い終わるとすぐに次の攻撃へと刀を振り上げる

キンッ!

だがそれも見事に防がれる

「…チッ」

「何なんだよ・・・ッ」

土方は「銀時」と言う単語に疑問を抱えながらも高杉に斬りかかった
が、一瞬の隙をつかれてしまう

「!!・・・ッ」

高杉の刀がかすかに土方の肩をかすったのだ

してやった、と言う顔をしている高杉に対し土方は軽く舌打ちをする

すると少し離れた所から誰かがこちらに走ってくる音がする

「誰だァ・・・?」
「ッ?」

二人は同時に路地裏の入り口へと目をやった 


するとそこに居たのは少し前に別れたはずの銀時が居た
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