めいん シリーズ
□その事は俺だけが
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酒を軽く一杯引っ掛けた銀時は、なんだかラーメンが無性に食べたくなり夜の街をふらふらと千鳥足でラーメン屋「北斗心軒」へと歩いていた。
ガラッ…
「あら、いらっしゃい銀サン」
「よぉ…味噌ラーメンひとつ…ん?」
誰もいない店内。と、思いきや見知った顔の男が1人。
桂だ。
「なんだ、ヅラかよ。辛気くせえな」
「ヅラじゃない桂だ。なんだとはなんだ。相変らず失礼な奴め」
「はい、そばお待ちどうさま」
カウンターの上に置かれた蕎麦を食べ始めた桂は思い出したように銀時に話し始めた。
「そう言えば…高杉が真選組の奴に斬られたのは知っているか」
その一言に銀時が纏っていた空気が変った。
「…ああ、その直後俺のところに来た」
「……………そうか………その後な…俺の仲間が高杉を京で見かけたらしい。どうやらしぶとく生きているようだ…」
静まり返った店内。聞こえるのは外の音とお湯を沸かしている音、幾松が丼を洗っている音だけだった。
「そうか…」