めいん シリーズ
□獣の見る夢
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目を覚ませば打ちっぱなしのコンクリート。体が重くて動かせず眼球のみを左に動かした。ぼやける視界の中、見覚えのある女がこちらを向いた。
「晋助様!!起きたッスか?!良かった…本当に良かったッス!!」
また子が顔をグシャグシャにしながら泣いていた。騒ぎを聞きつけたのか部屋に万斉と武市もやってきた。
「晋助!起きたでござるか」
「一時はどうなるかと思いましたよ」
寝すぎたせいなのか頭が働かず、高杉は上半身だけをなんとか起こした。
「つっ…」
斬られた部分が攣るように傷んだ。見ればガーゼと包帯でガッチリと固定され手当てされている。
「思ったよりも深かったようでござるよ。あと数センチいっていたら危なかったらしいでござる」
溜め息を漏らして高杉は壁に凭れ掛かった。血を流しすぎたせいか、力が出ずフラフラする。
「何日…経った?」
「破壊活動の実行日からはまるまる1週間ですな。晋助様が居なくなってから現れるまで2日、ここに帰って来てからは5日間経ってます」
――5日間も経っていたか…