めいん シリーズ
□そしてあなたは悲しく笑う
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『……てめえが…俺を捨てたんだぜ…』
『寝言とは言え…二度と俺の目の前で他の男の名前を呼ぶんじゃねえ!!!』
降り続く雨と重く暗い空。銀時は顔に読んでいる途中のジャンプを広げて置き、ソファの上で腕を組んで横になっていた。
寝ても醒めても思い出すのは高杉と土方の事ばかりでここ最近物思いに耽け食欲もないせいか新八に心配されてしまった。今も何か精を出すものをと買出しに出掛けたようだ。
――自分の気持ちが分からない…
土方は好きだ…一緒にいると楽しくて安心していつも笑っていられる…ケンカばかりしてるけど、あいつがいなくなるなんて考えられない…
じゃあ高杉は…?
安寧なんて出来ない…
笑ってなんていられない…
そしてきっと
不幸になる
それでも
あいつを忘れられない
あんな激しかった恋を忘れられるはずがない…
眉根を寄せると不意に視界が明るくなった。驚いた顔で見るとそこには顔からジャンプを除けた神楽が立っていた。
「神楽…」