めいん シリーズ

□太陽に問う
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ぽっかりと大きな満月が浮かぶ静かな夜。真選組屯所の縁側で副長土方十四郎は物憂いに酒を嗜んでいた。酒がいまいち美味く感じない。原因は分かってる。こないだの万事屋での一件だ。


『…た…か…すぎ…』


『寝言とは言え…二度と俺の目の前で他の男の名前を呼ぶんじゃねえ!!!』


――今思い出してもみっともねぇ…嫉妬に駆られたからってあいつに当たって……了見が狭い男って俺の事を言うんだろうな…


あれから銀時とは会っていない。忙しいってのもあるが市中で見かけても土方の方が体裁悪く逃げてしまう。どんなツラして会えばいいのか分からないのだ。



「おっ、トシ、月見酒か?洒落てるが風邪引かないか?」


「近藤さん…風呂上りフンドシ一丁でウロウロしているあんたには言われたくねえよ」


ニカッと笑った近藤は土方の横に座り空いているお猪口に酒を注いだ。


「これ食うかい?近藤さん。天然の国産のししゃもだ。今じゃそうそうに食えないぜ」

「いやいや、ししゃもが見えないぞ、トシ。黄色い物体の山しか見えないから」
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