めいん
□ラウンドスリーファイッ!
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真選組副長、土方十四郎はすこぶる機嫌が悪かった。一緒に見回っている山崎にしてみればとても隣に居づらい。
「副長〜どうしたんですか?まだ瓦屋根の上で勝負に負けた男のこと考えてたんですか?」
「あ゙あ゙?」
まさに鬼神のような顔で振り返った土方に山崎は背筋を凍らせる。
「あいつの事は二度と話すな!胸クソ悪い!」
そう言ってもここ最近の土方は常に機嫌悪くいつも仏頂面だ。聞かなくても件の銀髪男を思い出してるに違いない。関係ないと嘯いたが、なんだかんだと意識しまくりなのだ。
「…綺麗な人でしたよねぇ…」
ボソッと呟いた山崎は突然胸ぐらを掴まれ青筋を立てている土方の顔面まで引き寄せられた。
「野郎の話はすんなってんだろ!おまけに美人って、てめえはホモかよ!」
投げるように体を押され解放されたが、息苦しかったせいで山崎はゲホゲホと咳をした。
――別に銀髪の人だって言ったわけじゃないのに……自分だってあの人が美人だって思ってんじゃん…
息を整え、一人スタスタ歩いていく土方の後をやれやれと山崎はついて行こうとした時だ。
「万引きだ―!!誰か捕まえてくれぇ!」