めいん

□あんたが好きだから
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抜けるような青空のある日のこと。あまりにも天気がいいので銀時は愛車のベスパを置いて歩いてコンビニでジャンプを買いに行った。


コンビニの自動ドアが開いて大通りに出ると見知った顔が銀時を待っていた。


「あれ?」


「旦那じゃないですかい。なんですか、あんた。まだそんなモン読んでんですかい?」



偶然出会ったのは真選組一番隊隊長、沖田総悟。買い物袋の中のジャンプを見られたようで呆れ顔をされた。


「そんな物とはご挨拶だな。お前が小脇に抱えている物騒な本よりいいだろ」


「ああ、これですかい?なかなか面白いですぜ。見ますか?『闇権力と闇支配』」


胡散臭い目で本の表紙を見る。なんつう物騒な物を読んでるんだと銀時は沖田を空恐ろしくなった。気を取り直しキョロキョロと周りを見回すが隊服を着た者は他に見当たらなかった。


「市中回り中か?一人って珍しいな」


「………土方さんならいませんぜ。今は特別任務中でさぁ」


爽やかにニコリと微笑む沖田を銀時はなんとなく警戒してしまう。土方と銀時は恋人同士、それを知ってるのは真選組の中でも局長の近藤と沖田だけ。ただでさえ犬猿の中の土方の弱味を握ってるのだ。
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