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□惡梦(あくむ)の國(くに)へようこそ!
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「ただいま〜」
「おかえり。」

夕食を作っていたお母さんが料理をしながら答えてくれた。

「あら、遅かったわね。どうしたの?」

お母さんは唯一のあたしの理解者だ。
あたしの事を何でも分かってて、女手一つであたしを育ててくれた。
あたしのために給料の高い仕事についてくれて、あたしを養ってくれている。
本当に感謝しなきゃ。

「ん?えっとね、本屋に行って来たの。なんかいい本ないかな〜?って思って。」
「ふ〜ん。そうなの?なんかいいのあった?」
「う〜ん…なかった。」
「そう?」

これが、お母さんについた初めての嘘。

なんだか、この本の事はお母さんに言わない方がいいような気がした。


その予感が本当になるとは、まだ知らずに…


あたしは夕食を食べると、すぐ自分の部屋に戻り、“あの本”を読む事にした。


「それにしても…変な名前。」

ペラッ


変な名前だなんて、失礼だよ。

「!?…誰!?」


ここだよ。
“ここ”


「…!」

声のする方に向いて見ると…!



声は、“本”から聞こえた。

「うっ嘘…!夢…?」

夢なんかじゃないよ。

君は久しぶりの“お客様”だ。
惡梦の國へようこそ!


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