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□惡梦(あくむ)の國(くに)へようこそ!
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つまらない授業。
つまらない日々。
つまらなすぎる。

毎日、同じ事の繰り返し。

何か楽しい事はないかなぁ?


「田村沙代さん。この答え分かりますか?」

担任の若い女の先生が聞いてきた。

数学ねぇ…
こんなの分かるに決まってるでしょ?
この前も同じような問題やってたじゃない。
なんか、バカにされてる気がしてムカツク。
前々から嫌いだったんだよねぇ〜
なんか侮辱されてる気がして。

「…2√4。」
「正解です。よく分かりましたね。これ、結構難しい問題なんですよ。」

そう言って、担任はニコッと笑った。

…うざい。
教師はみんなそうだ。
何この、“上から目線”。
よく出来ましたね〜って言いたいんでしょ?
前からうざかったけど、今日はひどくうざい。

…クスクスッ。死んじゃえばいいのに。

「…田村沙代さん。何か言いましたか?」
「別に…何も言ってません。」「そうですか。…それでは授業を続けます。」


     〜放課後〜
やっと終わった。
つまらな過ぎる。

「あ〜あ。何かいい事ないかなぁ?」

…そうだ、本屋に行ってみよう。

「何かいい物があるかもしれない。」


「いらっしゃいませ。」

ここの本屋には、よく来ていた。
駅の近くで、家からもそんなに離れていない。
それに、ちょっと古ぼけていて、目立たない店だけど、いろんな本が揃っている。

小説に漫画、参考書だとか、辞典や雑誌もあるし、外国の本まで揃っている。

まるで本の何でも屋さんで、ここに来るだけで冒険が出来るような気がして、楽しい。


この店はとにかく広くて、全部回るのに30分以上も掛かる。

そんな店をゆっくり回っていると…

「何かいいの…あれ?」

あたしの目に入ってきたのは、本棚の一番端の一際古そうな一冊の分厚い本だった。

「?…惡梦の…國へようこそ?」

何だろう?
古くさくて、変な名前なのに…
なぜかその本を置く事が出来なかった。

でも、気になるのに…開けるのが怖い。


でも…



「ありがとうございました。またのお越しを。」


「はぁ〜。」

あたしは店を出て、ため息をついた。

結局買っちゃったなぁ〜…
…この本、何なんだろう?
…小説かなぁ?
まぁ、家でゆっくり見ればいいか。
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