オリキャラ×リボーン

□地獄(接触)
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「なんだ、ここにいたのかい?」

蒼は一瞬声の方へ身構えるが、声の主を見て、構えるのをやめた。

「君は時々変なことをするね。」

蒼の目線の先には雲雀がいた。
いまの言葉は、死神にあった後に敏感に反応していることを知らないためであろう。
そう解釈した蒼は

「まぁな。」

と一言だけ返した。
雲雀はあまり深く気には止めなかった。

「君が逃げたかと思ってね。少し探していたんだ。」

「焦ったか?」

蒼はニヤリと笑った。

「まさか。ただ咬み殺すだけだよ。」

雲雀は相変わらずの澄まし顔だ。

「だと思った。まぁいい。ちょうど修行相手が欲しいと思ってた所だ。」

「手加減なんてしないよ?僕はただ咬み殺すだけ。」

「だろうな。だが、俺はただの雑魚とは違うからな?」

「僕にはどうでもいいことだよ。」

雲雀は本当にどうでもよさそうに言う。
彼はただ咬み殺せられれば良かった。
それに蒼がカチンと来たらしい。

「お前マジで腹立つ。」

自分の武器を腰のポーチから取り出す。
蒼の武器の弓は龍を模している。そして近距離でも使えるように、その龍の背に鉄製のたてがみがある。
たてがみはノコギリのような形状をしていて、斬りつけることが出来る。
(ちなみに弓は折りたたみ式で、捻ると真ん中から二つに分かれる。
そして分かれる時に刃が内部に収納されるようになっている。)

雲雀は蒼を怒らせたかったようで、蒼が怒って武器を出したことに満足したような顔でトンファーを構える。
両者は武器を構え、相手を睨む。

ジリ…ジリ…

徐々に近づく。

ザッ

先に仕掛けたのは蒼だった。
大きく踏み込み、弓を振る。
だが雲雀はトンファーで受けもせず、余裕を持って避ける。
蒼は苛立ちを覚えつつ、次々に攻撃を繰り出していく。
しかし、ことごとく躱されてしまう。

「今度はこっちの番だよ。」

雲雀は余裕そうに言うとトンファーを構える。
次の瞬間、蒼は天を仰いでいた。

「え?」

一瞬何が起こったのか分からなかった蒼は、素っ頓狂な声を出したが、すぐ理解する。
雲雀が目にも止まらないほど早く攻撃したのだ。
だが、理解した次の瞬間には二撃三撃と食らっていた。
痛みが来たのは体制を立て直し、地面に足が着いた時だった。

「っつ…」

まだあまり攻撃を食らっていないにもかかわらず、すでに足がフラついていた。

「どうしたんだい?雑魚じゃなかったんじゃないのかい?」

雲雀があからさまに見下して来た。

「くそっ!」

蒼は雲雀の方へ突っ込んでいく。
だが、

「甘いよ。」

結局攻撃は躱され、反撃をモロに食らう。
蒼は吹っ飛ばされ、木に激突する。


「君にはまだ僕は倒せない。」

雲雀はそう言い残すと早々に山を降りて行った。

「…くそっ!」

蒼はすでにボロボロだった。

「こんなんで、死神を倒そうなんて…笑えるな。」

蒼はその場に横たわる。
節々が痛み、立つには時間がかかりそうだった。

「ったく…笑い話にすらならねぇよ。」

蒼は鼻で笑った。

もし、死神がいなければ…俺の人生は変わっていたのか?
普通の暮らしをして、復讐なんて考えない、平和な暮らし。

「…んなこと考えたって、過去が変わる訳ねぇのにな。」

蒼はしばらくもの思いにふけっていた。



 
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