オリキャラ×リボーン

□地獄(接触)
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色々なことがあった為に昼近くまで経ってしまっていたが、無事旅館に到着することが出来た。
しかし蒼にとっては旅館に到着してしまった、と言った方が正しいだろう。
実はこの旅館は並盛内のだが…

蒼の第一印象はというと

「ボロくね…?(汗)」

の一言だった。

その旅館はお世辞にもその旅館は綺麗という程の外装ではなかったからだ。
塀には苔がむしていたり、門が開け閉めする度にギシギシと軋んでいた。

「仕方ないんだよ。お金がないんだから。」

やれやれといったような風に雲雀は言った。
そんな雲雀に蒼は冷静にツッコミを入れた。

「だったら俺を連れて来んなよ…(汗)」

…ごもっともです。

しかし雲雀は

「細かい事は気にしないことだね。」

と軽く流した。
が、さらに蒼が細かくねぇよ!とツッコんだのは言うまでもない。
そして雲雀は一方的に

「途中で帰ったら咬み殺すからね。それと、合宿中はほとんど自由行動だけど18:00までに帰って来ないと咬み殺すから。」

と告げるとさっさと旅館へ入ってしまった。



この合宿の意味は風紀委員の戦力強化が目的だった。
その為に各々で戦力強化するためほとんどが自由行動になっていた。
なので蒼は

「(この合宿中に修行でもするか。)」

と思ったが一番の難問が頭をよぎった。
実は蒼は生物学上は女なのだ。
つまり蒼が女だと知らない風紀委員達は女湯に入って行く蒼を誤解するだろう。
そして何より嫌なのは雲雀にバレてスカートを履かせられることだ。
きっと抵抗すれば咬み殺されるだろう。
しかし、蒼はひらひらするスカートをすごく嫌がっている。
とりあえず、その時になってから考えることにした。
蒼はため息を吐くととりあえず旅館の中を色々と見ることにした。

すると以外にもカラオケが出来る所があった。

「へぇ〜。こんなとこにカラオケボックスなんてあんだな…」

と蒼は感心しつつ中で歌っている風紀委員をスルーした。


あらかた旅館を見た蒼は

「さて、修行すっか!」

と言って伸びをした。



丁度旅館の裏手の方に山があった。
ちょうどいいと蒼はその山へ入って行った。
蒼はそこの開けた場所で修行する事にした。
…とは言ったものの、相手がいないと中々修行に力が入らない蒼は腕組みをして少し物思いにふけっていた。

「死神…」

ふと蒼が呟くと

「…あら、呼んだ?」

茂みの奥から声がした。

「…!」

蒼が身構えると声の主が姿を現した。
赤い髪、大きな口、黄色い目、黒いコート。

見るからに不自然な格好だった。

「別に身構えなくてもいいわよ。」

大きな口でニヤニヤと笑っていた。

「(…コイツの余裕ぶった態度が気にくわねぇ)」

「あの時はそんな可愛くない顔してなかったのにね」

「…っ!!」

「うふふ。可愛い顔。まぁ私はただ挨拶に来ただけよ?じゃあ修行、せいぜい頑張るのね。」

「待て!!…くそっ。」

蒼か追いかけようとしたが、すぐに茂みの中へと去って行ってしまった。

「くっそ!!」

ダンッ!

蒼は近くの木に拳を力一杯叩きつける。
強く握る拳に血がにじむ。

「はぁ…」

蒼はその場に座り込んでしまう。
そして、空を見上げながら昔のことを思い出す。
楽しかった頃のこと。
そして…あの事件があった日のことを。
蒼は泣きそうなのを堪え、頭を振り、考えるのをやめた。
過去を思い返しても良いことは何もない。
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