オリキャラ×リボーン

□敗北
2ページ/3ページ

ガツン!

「いっ…!」

雲雀にトンファーで殴られて目覚めた蒼がいたのは応接室だった。

「何すんだよ!」

バサッ

「…?」

雲雀から無言で投げ出された物は大量の書類だった。

「それ…サインしといて。」

雲雀は蒼に一言そう言い残すと

バタン…

出て行った。

「……。え〜!!?」

思わず蒼は雲雀を呼び戻そうかと思ったが、書類が散乱して動けなかったため、仕方なく諦める事にした。

「…って、誰の名前書けばいいん…だ…よ…?」

蒼が手にした一枚の書類には、ご丁寧に書き方が書いてあった。

「あっ…そ。あいつの名前書きゃあいい訳ね。…って、なんで俺書く気マンマンな訳!?」


ハァ…

どうせやんなきゃあいつにボコされるだけだし…
仕方ねぇなぁ…

と蒼は心の中で思うと書類をかき集めた。


ガサガサガサ…

トントン。

「よし、やるか…」

半分やる気のない声で気合いを入れ、書類にペンを走らせた。

カリカリカリカリ…



1時間後…

ガチャ

雲雀は入って来て早々

「書類、書き終わったかい?」

と言った。

カリカリカリ…

蒼はその声が聞こえているのか聞こえていないのかよく分からなかったが、しばらく書類にペンを走らせると

「……。…終わった〜!」

と言って

ドサッ

ソファーの上に寝転がった。

「君、やれば出来るんだね。」

と雲雀は薄く笑って言うと蒼に近寄った。

蒼は

こいつも、笑う事あんだなぁ。

と思いながら

「まぁな。」

と答えた。

「ちょっと待ってなよ。」

と雲雀は言うとポットやら何やらがある所で何かをし始めた。


しばらくすると

「はい。」

と言って紅茶を手渡した。
どうやら紅茶をいれていたようだ。

紅茶はミルクティーだった。

「…サンキュー。」

と蒼は言って差し出されたカップを受け取った。
そしてそのまま紅茶を飲んだ。

スッ…
…ゴク。

甘い過ぎない、丁度いい甘さが口の中に広がった。

「…ふ〜。味は、まあまあだな。」

と蒼は言ってカップをテーブルの上に置くと、開いていた窓から一羽の黄色い鳥が飛んで来た。
そして蒼の前のテーブルに着地すると蒼を見上げた。

「ヒバリヒバリ、ダレ?ダレ?」

鳥はそう言って雲雀と蒼を交互に見ながら首を傾げた。
雲雀はその鳥に

「蒼。」

と一言で説明した。


すると次は

「雲雀!こいつの名前なんて言うんだ!?」

と蒼が目を輝かせて言った。

雲雀はしばらく沈黙した後

「…ヒバード。」

とまた一言だけで説明した。
それを聞いた蒼は、少し考える素振りをしてから

「雲雀の鳥だから…ヒバードか。…なるほど。」

と一人で納得していた。


 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ