オリキャラ×リボーン

□地獄(過去)
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あれは忘れもしない…5年前の誕生日。


「もう!透(とおる)なんか大っ嫌い!」

そう言って私は家を飛び出すように学校に向かった。
私は朝から些細なことで弟の透とケンカした。
もともとの原因は私だけど、腹が立ったからそのまま一人で学校に行っちゃった。
けど、昼の給食の頃にはケロッとしてた。
だから放課後、透に謝って一緒に帰るつもりだった。

なのに透のやつ、一人でさっさと帰えっちゃって…
いつもは一緒に帰りたがるくせに。
ほんと、調子いいよね。
でも、私が悪かったから謝りたかった。
朝、謝っとけば…良かったのにな…

「しょうがないから一人で帰ろう。」

帰り道、どう謝ろうか色々悩んだ。

「うーん。やっぱり素直にごめんの一言が一番良いよね。」
家に着くころには、うまく謝る言葉が見つかった。
透にすぐ謝ろう。

今日は私の誕生日。
ちょっとケンカしたくらい、どうでもいい。
ケーキもプレゼントもあるし、家族もいる。
それだけで幸せ。
私はそう考えてた。

「ただいま〜」

玄関のドアを勢い良く開ける。
きっとお母さんが手料理を作り始めてる頃だ。
透に謝ったら、お母さんの手伝いをしよう。
そう考えてた。

けれど私の幸せは、目の前で崩れ落ちた。
目の前が血で染まっていた。
最初何が起きているのか、全く理解出来なかった。
お母さんに抱きかかえられている透が…
透が…真っ赤に、血に染まってる。
透の体がおかしい。
在るべきはずのものが、在るべき場所に…ない。
お腹から下はドコ?
アレ?
クビとカラダがハナレテ…?
私の頭の中がぐちゃぐちゃになった。
朝まであんなに言い合いが出来るほど元気だったのに。
何で動かないの?
何で母さんは泣いてるの?

そうだ、お父さんは?
こんな状況なのに、お父さんが放って置くはずがない。
きっと居間に…

私は混乱する中、なんとか思考を巡らせて、玄関から居間を見た。
居間のドアは開いてる。
居間もちゃんと見えてる。
なのに…
何でお父さんはいないの?
お父さんの代わりに、髪の長い人が背中をこっちに向けてる。
その他は何か"塊"が見える。
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