short

□血の雨
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大好きな雨が降っている。
この雨が血だったらいいのに…

そう。

真っ赤な血だったら…


「ねぇ。雨、好き?」
「う〜ん。…あんまり好きじゃない。じめじめしてて、どちらかと言うと嫌い。」
「ふ〜ん。…あたしね、雨は大好きなんだ。特に、血の雨だったら。」
「何言ってるの…?」
「大好きな人の血で大好きな雨を降らすの。」

君はそう言うと…

ジャキィン…

大きな鎌を持って微笑んでいた。
そんな君はとても綺麗だった。血がよく似合いそうな真っ白な肌。

「君なら…いいよ。」

僕はそう言って目を閉じた。

なぜか、一瞬は恐怖を感じたものの、すぐに恐怖は消えた…

そして…

空を切る音の後、肉に刃が当たる音がして、痛みとともに…

意識と、

首が飛んだ…


ゴトッ。
ブシューッ

首が飛んだと同時に、血が噴水のように噴き出した。

「綺麗…。」

あたしはその噴き出す血を見てそう思った。
あたしの大好きな人の血は綺麗で、雨のように降り注ぐ血も綺麗だった。

そして、あたしを…

赤く赤く、染めていく…


赤は大好き。


end.


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