Story-歪アリ-

□君の、私だけの指定席 -猫アリ-
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最近、チェシャ猫の肩にのっていた頃が懐かしくてしょうがない私。
またチェシャ猫の肩にのりたい。

「ねぇー、またチェシャ猫の肩にのって、色んな場所に行きたいな」

「僕らのアリス、君が望むなら」

すると、どこから出してきたのか、チェシャ猫の手にはいつの間にか“あの”パンが握られてた。


「…う…」
チェシャ猫の手に握られてたのは、私にあの時、あの嫌な気分を教えてくれた、人間の子供の腕の形をしたパンだ。
確かにチェシャ猫の肩にのるには小さくならなきゃ無理イコールこのジャムパン(腕パン)を食べなきゃ無理だろうけど
…その前に、ジャムパンの存在を忘れてた。

未だにこのジャムパンの形には慣れない…
だって…人間の子供の手の形してるのよ!?
あぁ、めまいが…


「? アリス、早くお食べ」
食べるのをせかすように、んっ!と私の顔の前に、人の手の形のジャムパンをつきつけてくるチェシャ猫。

「や…あの…やっぱりやめ「アリス お食べ」

チェ…チェシャ猫ー…
なんか怖いよー…?

「うぅ…」


・・・・・・・。

…よしっ!

チェシャ猫の肩にまたのるために!
私、葛木亜莉子は頑張ります!

私は目をグッと閉じて、チェシャ猫の持っている腕パンを一口、口の中にいれた。


「っ!!」
周りの景色が歪む…
みるみるうちに私の体は小さくなった。


「アリス おのり」
チェシャ猫は満足そうに、にんまり顔をもっとにんまりさせ、私の前に手をおいた。
私は素直に手にのると、その手はチェシャ猫の肩のところへ持っていかれた。


「ふぅー…。
ふふ やっぱりここが一番落ち着くわねー」
私はチェシャ猫の頭に、自分の小さな頭をよりかからせ、目を閉じた。


…こんな近くで大好きなチェシャ猫を感じられる.
それはとても幸せな時間で…
私だけが許される時間…

ねぇチェシャ猫。
やっぱり私思うの。
こんな幸せな時間を過ごすことができるのなら、腕パンをいくつ食べても私へっちゃらだよ。

だから、これからもこの幸せ感じてもいいかな?


…私の大好きな、世界にたった1つしかない私だけの指定席…


****

でも、この後アリスは、腕パンをまた見てしまい、やっぱりこのパンだけは嫌…チェシャ猫の肩にまたのろうなんて思うのはよそうかなぁ…なんて。と思うアリスだった。


…また長くなっちゃったorz

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