忍玉小説

□終わりと始まりと…
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家が、村が燃えてた。
朝、何時もの用に父ちゃんが畑仕事をしていて俺と母ちゃんがそれを手伝って…
何時もと変わらない風景。
小さくて何もない場所だったけれど俺は大好きだった。



俺が母ちゃんにお使いを頼まれて少し離れた町に行った帰り
気が付いたら村が燃えてた。

家も、田畑も、何もかも…
夕焼けの様に、夕焼けよりも色濃く何もかも飲み込んでしまった炎は辺りが闇夜に呑まれてても赤に染まって…






この周辺で戦が起きていたのは知っていた。
村に双方の武士達が押しかけて火を放っていったらしい。

…自然と涙は出なかった。
あっという間の出来事だったからだと思うし、いまいち実感が湧かなかったんだと思った。
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