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□第1話。。。闇から闇へ。
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◆第1話◆


から闇へ







 わたしは夜の集合住宅街の道を微かな街灯の明かりを、頼りに歩いていた。


 突然後ろから声をかけられた。
振り向くと、この辺では変わった白い学ランを着た少年と白いセーラー服を着た少女が2人並んでいた。
わたしは、この2人は知っている。

 少年は、日下 明(くさか・めい)。同じ組織≪刀達人≫のひとりで、『砂風』という直刀の持ち主。
染めただろう紫色の髪は、肩に届いていて後ろに束ねている。

 少女は、中平 優(なかだいら・ゆたか)。この子も同じ組織のひとりで、『百合雨』という薙刀の持ち主。淡い緑色の額縁の眼鏡をかけている。


「どうも。深恋姉さん。」
と明くん。
「こんばんは、深恋お姉。」
優ちゃんがお辞儀する。

「任務帰り?」
「えぇ、隣町の厄介な集団を始末に。」

明くんが答えた。
優ちゃんはコクンと頷いた。

「今からさ、神沢さんの事務所に行くんだけど一緒に行かない?」

これから目的地へと行くついでに、2人を誘ってみた。

「すいません。明日最後の中間テストなので。」
「相変わらずですねぇ、優は。真面目で。僕は行きますよ深恋姉さん。」

明くんも敬語使っている時点で真面目だと思うけど・・・。聞いても、返ってくる返事は当たると思うけど聞くか・・・。


「明くんはテストいいの?」
明くんは得意げな顔をして言った。
「僕の脳は勘で造られていますので、大丈夫です。」
「まったく・・・」
と優ちゃんが、呆れたように呟いた。
まさにその通りだ。
 それから、わたしと優ちゃんと明くんは歩き出した。




色んな事を話した・・・というか、聞かされた。優ちゃんの話がほとんどだった。
主に愚痴にしか聞こえなかったけど。
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