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□私の手と小さい手
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大変と言えない
お母さんと弟達が死んで、3日後。
その3日間は、ばあちゃんの家で過ごした。
いつまでも居るわけに行かないと思って、自分から帰りたいと言った。
家に帰ると久しぶりに感じた。
でも、お母さん達がいない。
そんな現実を受け止めないといけなかった。
ベビーベットに幸と福を寝かせる。
今まで、この家の部屋は狭いと感じていたけど・・・。
今になると狭く感じた。
近いうちにお母さん達のいらない遺物を取りに来ると、じいちゃんが言っていた事を思い出した。
私はお母さんの部屋に入った。
ベットと、タンス。小さいテレビに畳みかけたまんまの洗濯物。
いつもの風景。
お母さんの部屋は殺風景だった。
主にお母さんの持ち物はあんまり無かった。
それでも、この部屋を見るのが好きで。
洗濯物を畳むお母さんが好きだった。
私は、泣きながらお母さんの部屋と弟達の部屋を整理し始めた。
時々記憶にある物を抱きしめてたりしていた。
哀しくてじゃない。
懐かしくて・・・。