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□私の手と小さい手
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残されたのは絶望感と小さな妹
ふ、と目が覚めた。
バッと起きる。
周りを見渡すと白いカーテンに包まれていた。
消毒液の独特な匂いが鼻にツンとくる。
「びょ、・・・病院?」
妹やお母さん、弟達の事を思い出し足を動かそうとした。
「痛ッッ!!!」
右足に激痛が走る。
毛布を捲ると、白い包帯とギブスが巻かれてあった。
何で、こうなっているのか、
記憶をたどった。
トラックに潰されたお母さんと弟達の姿が目に浮かぶ。
聞こえるのは、衝突の音、妹達の泣き声、パトカーと救急車のサイレン。
「嘘・・・夢だよね・・・。夢だよね・・・こんなの、嘘だよね・・・。」
頭を抱える。
体が震える。
怖い。
怖い。
目を強く、もっと強く瞑る。
夢であって欲しい・・・。