風シリーズ

□それは名案です!
1ページ/1ページ



彼女と仲直りをして早数週間。あれだけ忙しかった仕事も随分と落ち着いて来たので久し振りに彼女を迎えに学校まで行く。なにも連絡はしていないけれど、こんなのもたまにはいい。


「あ、沢田の彼氏」

「久々じゃん?」

「別れたと思ってた」


…男子生徒諸君。貴方達もしや私を暇人かなにかと思っているんですか?これでも立派な社会人です。裏社会人です。善良な裏社会人なので税金も国民年金も国民健康保険もきちんと納めてますよ!(超現実的)しかもなんですか、別れた?別れていません。…一度フラれましたけどね、きちんと元サヤに収まってます。悔しいか野郎共。…なのに会うのは3週間振り。その間また彼女に寂しい思いをさせていたのかと思うと…激しく自己嫌悪に陥る。


『あれ?風さん?』


なんか暗すぎるぞ沢田の彼氏、と言われている中、聞こえてきたのは私の名前を呼ぶ彼女の声。勢いよく振り返ると久々に会う刹那さん。驚いた顔も可愛いです。


『どうしたの?仕事は?』

「落ち着いて来たので会いに来ました」

『報告書の山に埋もれてるって言ってなかった?』

「マーモンに手伝ってもらいました」

『高い金を払わされただろうね…』

「……」


彼女がなんとも言えず哀れそうな顔をした。私に言ってくれればタダで手伝ったのに、と言う刹那さん。


「そんな事、刹那さんにさせる訳には……あ"、」


そこまで言って私は重大な事に気付いた。彼女に手伝って貰っていたら二人きりでいれた訳だし、刹那さんの手料理とか、一緒に寝たり風呂に入ったり、夜はあんな事とかこんな事とか出来た訳で…さながら新婚生活の真似事が満喫出来たかもしれないと言うのに、何故私は高い金を払って土、日を野郎と過ごさねばならなかったのだろうか。


『風さん?』

「今度は手伝って下さい」

『勿論!』


お互いに笑って手を繋いで歩き始めると、邪魔をするかのように彼女の携帯が鳴る。誰ですか邪魔をする奴は、と、開かれた彼女の手の中の携帯の画面を覗き込むと「ツナ」、と表示されていた。


『はいはいお姉様よ〜…え?うん今帰り…風さん?…うん一緒だけど?』


彼女が話ながら私を見る。なんですか綱吉くん。私が一緒だと都合が悪いとでも?


『…え?骸が?…うん解ったすぐ帰るよ。風さんと一緒に』


そう言って刹那さんは電話を切る。


「六道骸がどうかしたんですか?」

『うん。なんか私に話があるって来てるんだって』

「珍しいですね…呼ばれても来ない事の方が多い彼が自ら出向くなんて。なんの話なんでしょうか」

『…愛の告白、とか?』

「………」


今日は久し振りに刹那さんと二人きりでいる予定でしたが予定変更。今日は六道骸を始末する事にします(ついでに雲雀恭弥とザンザスも始末したい所です)


『儲け話だったら、』

「マーモンを手配しますね」

『え?風さんイジワルだね』

「いいですか刹那さん。うまい話には必ず罠があります。迂闊に乗らない様に」

『なら、風さんの上に乗る事にする』

「………っ」











それは名案です!
(彼女も最近少なからず欲求不満な様です)



「刹那さん、今日泊まりに来ませんか?」

『え?いいの!?』

「母上の許可が降りるなら、ですけど」


いい加減、貴女を食べたいです。




(あ、でも私今乙女週間…)
(バ…バッドタイミングですね…)
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ