風シリーズ

□ふざけてるの?
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骸くんやい。守護者は沢田家集合!!来なかったら骸の恥ずかしい秘密をばらしてやるからそのつもりで…それではまた、ありべでるち。


…脅迫とも取れる留守電が僕の携帯に残されていた。刹那に呼びつけられるのは今に始まった事じゃない。沢田綱吉の家へ足を運んでみたらいつものメンバーと珍しい者が勢揃いしていた(守護者、アルコバレーノ×3)刹那の事だ、どうせろくでもない理由なのだろう、と思えば、なにやら並盛高校ではもうすぐ文化祭があるらしく、3日目の一般公開では各クラスが出し物をして順位や売上を競う、と言った風潮が何十年も続いているらしい。勿論今年も例外はなく、刹那は高校最後と言うこともあり、絶対に優勝してやる、と意気込んでいた。毎年この時期になると並高生は異様なまでに殺気立つ、と黒曜でも恐れられている程だ。


「刹那さんのクラスはなにをやるんですか?」


嵐のアルコバレーノが興味津々でそう尋ねると刹那はにやり、と笑った。僕の経験から言わせてもらうと、刹那がこういう笑いをする時は9割方良くない事が起こる。そして僕のその予感は見事に的中する。


『ホストクラブ』


それを聞いて僕は安心した。これで心置きなく帰れる。いずれまた、Arriverderci…と言い残して立つと、刹那にしっかりと足を掴まれ派手に転んだ。


「なにをするんですか」

『何故帰ろうとするんですか』


足にしがみついて離すまいとする刹那の肩を軽く蹴り離せ、と訴える。


「関わりたくないからに決まっているでしょう。離せ」

『おやおや…話はまだこれからですよ。それとも怖いんですか?』

「僕の真似をするな。離せ」


僕の1メートル先で嵐のアルコバレーノが睨んでいる。こんなつまらない事で彼の拳の餌食になるのはごめんです。


「刹那さん、パンツが見えてますよ。今日は赤ですか」

『やだ風さんのえっち』

「で、ホストクラブとはどういう事ですか?私に刹那さんを指名しろと?しますよ」


この男はやはりバカだ。だが彼が行けば刹那を指名し続けて金を落としまくるだろう。優勝は決まった様なものだ。


「ちょっと刹那。調子に乗って高いボトル購入しないでよね」

「どういう事です?」

『文化祭にかかる全費用は風紀委員持ちって決まってるの』

「それはつまり用意するボトルは全て風紀委員が買う、と言う訳ですか?」

『うん、そう』


まぁ中身はジュースに入れ替えるんだけどね、と言う刹那に、中身の酒はどうするんですか、と尋ねる嵐のアルコバレーノ。それを聞いて刹那はずっと無言のままだった霧のアルコバレーノを見る。


「うちのボスが空けた空ボトルへ入れてあたかも開けていないかの様に偽造して売り捌くのさ。牛肉の様にね」

『売上の8割はマーモンに、2割は私に入る』

「えげつないですよ刹那さん…」

『半分は風さんとの同棲費用』

「いりませんよそんなの。これでも結構稼いでいるんですよ?」

「風の年収は億だぞ」

「なら刹那へ渡す売上はいらないね。僕が全てもらう事にするよ」

『入ってくる売上で服を買い漁ろうと思ってたのに…マーモンお願いっ!!』

「風に買ってもらえばいいだろ」

『高級チョコをお取り寄せするから!!』


ぴくり、と僕の耳が反応する。ボトル購入費用は風紀委員持ち、そして高級チョコをお取り寄せ…


「気が変わりました。全力で協力させてもらいますよ」

『さすが骸!!話の解る奴!!』

「優勝したら僕にも高級チョコレートの施しを」

『OK!!交渉成立だね』


僕と刹那は熱い握手を交わす。


「では俺はドンペリを空けさせて頂きますお姉様」

「俺はソーテルヌを空けるぞ」

「僕はトロッケンベーレン・アウスレーゼ」

「なら私はトカイ・アスーエッセンシアを」

「ねぇ君達…」











ふざけてるの?
(涙目で威嚇する雲雀恭弥に全員声を揃えて言った。大マジです、と)



『それより風さん達の言ってるお酒って、なに?』

「世界三大貴腐ワインの事っス。値段も何千万クラスの最高峰ワインっスよ」

『とてもじゃないけどそんな高価なワインなんて持ってるだけで手が震えるよ…ねぇツナ』

「うん…落としたら洒落にならないよね…」

「貧乏人共め」

「『ほっとけよ!!』」




(今度美味いワインを飲ませてやるぞ)
(私、お酒飲む人嫌…)
(えっ?)
(え?風さんってお酒飲めるの?)
(…今日から禁酒します)
 

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