風シリーズ

□同じ気持ち
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延々と続く卑猥な話に無理矢理終止符を打たせ、再び課題に取り掛かる刹那さん。一階の居間だと邪魔が入って気が散る、と彼女の部屋へ来てから1時間半が経過。真剣に課題に取り組む彼女をじっと見つめる私。見ていて気付く癖。彼女は考え事をする時に唇を指先で弄る癖がある様だ。その度に彼女の柔らかい唇がふにふにと形を変える。その仕草がエロいです。何とも言えずエロい。単なる癖でも誘っている様に見えてしまう。あぁもうっ、強引にキスして私の唇で貴女の唇の形を変えてやりたい。ついでにその制服から微かに覗く柔らかそうな胸も私の手で…


「…ッ!!」

『どしたの?』

「いえ何も…」


机に向かって前屈みに倒れた私を見て彼女が不思議そうに首を傾げて聞いてきた。まさか欲情してます、なんて言えるはずもなく机の下で拳を握り締めてただ耐える。


『大丈夫?』

「うっ…」


具合が悪いと勘違いしたのだろう。彼女の手が私が背中を擦る。すみません刹那さん、大丈夫なので今は私に触れないで頂きたい。何故って?溜まった欲が爆発しそうだからです。


「大丈夫、大丈夫ですから…私の事は気にせず課題を続けて下さい」

『うん…とりあえず8枚は終わった』

「そうですか。さすが私の刹那さ…え?」


先程までプリントを目の前に頭を抱えていた彼女の可愛い唇から有り得ない言葉が発せられ、前屈みのまま(そんなにすぐ収まるはずがありません)顔だけを上げて聞き返してしまった。


「刹那さん。今何と言いました?」

『え?だからとりあえず8枚終わったって…』


差し出されたプリントに書かれた癖のある文字を見て驚愕。あれ程解らないと言っていたのにも関わらず空欄に埋められた答えは全て正解。何故突然こんなにもスムーズに問題が解けるのか謎だった。だが本当に理解しているのかまた疑問だ。そこで私は物は試し、と中国語で彼女に話し掛けてみる事にした。


「幹得好(上出来です)」

『謝謝』


理解…している様だ。


「しかし何故突然理解したんですか?」

『敢えて言うなら風さんの教え方が上手いから』

「そうですか…なら次は刹那さんが教えて下さい」

『なにを?スリーサイズ?』

「それは今から自分で確認しますから…例えば、」

『例えば?』

「刹那さんの感じる所、とか私を求める可愛い声、とか…」


彼女の腰を引き寄せて耳元でそう言い、すぐそこにある彼女の耳を甘噛みすると小さく肩を揺らす。視線を遭わせれば顔を真っ赤にして睨んで来る。可愛らしい。こんな状況で煽るのは感心出来ません。


『風さんのえっち』

「言ったでしょう?私も男ですから…可愛い彼女を目の前にしていつまでも我慢出来る程の余裕は持ち合わせていませんよ」


赤い顔のままの彼女の唇に今日何度目かのキスをする。彼女に言った様に余裕なんてない。長い長いキスで息苦しそうな彼女をその場で押し倒す。キスは彼女の首筋へ。そう言えば彼女と初めてキスした時にキスマークをつけられた、なんて事を思い出す余裕もなく、白い首筋に強く吸い付けば漏れる甘い声。そんな声を聞かされたら止まらない。制服のリボンを解いてシャツのボタンを外す。露になる白い肌に興奮が高まる。


「いいんですか?食べちゃいますよ?」


もう一度耳元で囁けば彼女の両腕が私の首元に回され、そのままぎゅっと強く抱き締められた。


『うん。残さず食べてね』


耳元でそう言われ、先程私がしたと同じ様に彼女に耳を甘噛みされる。そして彼女はもう一度私の耳元で小さく囁いた。


『請永遠在一起。風的愛(ずっと側にいて下さい。大好きな風さん)』


たどたどしい中国語でそう言われ、驚きと嬉しさで思わず泣きそうになりぎゅっと強く彼女を抱き締め返し同じ様に中国語で彼女の耳元で囁いた。


「請留在刹那的是我自己的。我不曾給任何人(ずっと私だけの刹那さんでいて下さい。誰にも渡すつもりはありませんよ)」


数秒見つめ合いもう一度キスをする。思う気持ちはいつも二人同じ。でもそれがいい。気持ちがすれ違う事はないから。












同じ気持ち
(もう貴女以外いらない、欲しくない。それが私の素直な気持ち)




『風さんそこだめっ…』

「ここがいいんですか?」


コンコン


「刹那。夕飯だっ、て…よ、…」


扉をノックする音、返事も待たずに開けられた扉から姿を見せた男。


『ヒ、ヒバリ…』

「………」


目の前の光景に目を見開いていた雲雀恭弥は静かに俯くと両手にトンファーを握った。どうやら一悶着ありそうな…そんな雰囲気に私の怒りのボルテージは気持ち良い程上昇していった。








(ねぇ、咬み殺していい?)
(こっちのセリフです!!折角いい所だったのにッ…!!)
 

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