風シリーズ

□怒る理由
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毎月恒例アルコバレーノ定例会議。ここ何ヶ月かの議題は私と刹那さんの進展について…月に一度ホワイトボードに書かれたその黒い文字の語尾には1、2、3…、と数字が幾度も書き直され今回でその数字は8、となった。いつもならば余計なお世話、と口を噤む所だが今回は私から聞いてみたい事があった(何しろ皆さん恋愛経験豊富なものですから)


「あの…少々聞きたい事が…」


いつもながら好き勝手話している彼等の会話に割って入る様に口を挟むと全員同時に私を見る。そんな揃って顔をこちらに向けなくても…と思った時、リボーンがにやっと笑った。


「なんだ?とうとう刹那が妊娠でもしたか?勿論責任は取れよ」

「にッ…!!違います、まだその様な関係では…」

「まだヤってねぇのかコラ!」

「押し倒したって聞いたぞ(ツナに)」

「キスくらいはしたのかしら?」

「しました。と言うより毎日してます。キスをした後の照れた顔がまた何とも言えず可愛くて…」

「おい。誰かコイツ殺せ」


7人から猛攻撃くらいました。なんですかいじめですか!?ほんの少し惚気ただけでこの有様だ。自分達から聞いておいてなんなんでしょうか本当に。


「で?聞きたい事って何だい?僕も暇じゃないんだ。何の儲けにもならない君の惚気なんて聞くだけ無駄だよ。金を払うなら幾らでも聞いてあげるけどね」

「貴方は二言目にはカネ、金と…いいですか?大切なのはお金ではなくて愛です、愛」


がたり、と音を立ててバイパーが椅子から立ち上がる。


「帰らせてもらうよ」

「ノォオッ!!待って下さい!!結構真剣に悩んでいるんです!!聞いて下さいバイパー!!」

「その名で呼ぶな」


帰ろうとするバイパー…いや、マーモンにしがみついて引き止める。本当に悩んでいるんです!!


「仕方ないね…僕の口座にS級任務3回分の報酬振込んでおいてよ」

「ヴァリアーのS級任務の報酬を私が知っているとでも?」


そう言うと彼は常備している計算機を取り出しカチカチとボタンを押して弾き出した数字を私の目の前に突き付けてきた。


「ざっとこれくらい」

「…………」


驚愕。ゼロが沢山並んでいますが!!私に払えと?この金額を私に払えと?


「ヴァリアーって良い給料ですね…」

「ふん。まぁ君は昔からの馴染みだ。特別に彼女の写真3枚で話を聞いてあげてもいいよ」

「何故刹那さんの写真を!?」

「ボスに売り付けると一稼ぎ出来るんだ」


まさかザンザスが未だ彼女を諦めていないとは…あそこまできっぱりと綺麗にフラれたのに諦めの悪い男ですね(諦めたらそこで試合終了だカスが)


「んで、悩みって何だ?」


いい加減にしろ、とでもいいたそうな顔をしてリボーンが愛銃を私の頭に突き付けてきた。頭の風通しが良くなる前に話します。話しますからその銃を下ろして下さい。


「実は…」









〓昨日午後3時30分頃〓


いつもと同じ様に彼女を学校まで迎えに行ったら物凄い不機嫌な彼女。もう目は据わってるし眉間に皺は寄ってるし下手なヤクザよりも人相が悪い。そして私の顔を見るなり


「近寄るな帰れ、と…」


そう言って一人校門を抜けて帰る彼女を勿論追い掛けて捕まえたら鼻につく血の匂い。


「怪我でもしているのかと心配になって聞いてみたら腕を振りほどかれて、風さんなんて嫌い、と…思考が停止しました。私は彼女に何か嫌われる様な事をしたのかと……あれ?」


そこまで話して周りを見れば、やっちまったこのバカッ…と言いながら全員頭を抱えている光景が視界に入ってきた。


「あの…続けてもいいですか?」

「いや、もういい」


私がそう尋ねればラル・ミルチが溜め息混じりにそう言った。


「血の匂いがする、なんて彼女に言うな」

「確かに彼女への気遣いが足りないわね」

「嫌われて当然だな。そのままフラれろこの大バカ者が」

「何がダメなんですか!?それに別れるのは絶対嫌です!!」


ラル・ミルチとアリアの言葉に半分泣きそうになりがら聞き返せばまたも溜め息を吐かれてしまった。


「結論から言うと貴方が悪い。彼女が怒るのも無理ないわ」

「気遣い以前の問題だ。常識的に考えて普通ならすぐ気付くものだ。赤ん坊からやり直せ」

「そうね。私もその意見に賛成だわ」

「だから私が聞きたいのはそんな事じゃなくて…」











怒る理由
(毎月必ず機嫌の悪い日があるんです)



お前、浮気が刹那にバレたんじゃねぇのか?にやにやと笑いながら私をからかうリボーンに、私が浮気をすると思いますか?と答えながら首を絞めてやりました。




(風、お前性教育って言葉知ってるか?)
(何故そこで性教育?)
(今のお前に必要だからだ)
(今日の議題は性教育か…)
 

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