マフィアと忍者と
□居候先決定
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「ねぇなら俺ん家来るか?」
腕組みをして考えていたら山本がそう言った。
『いいの?』
「全然構わねぇよ」
「はい、ストップ」
じゃあお世話になります、と言おうとした時、雲雀恭弥が間に入ってきた。
「年頃の男と女が一つ屋根の下で暮らしていいと思ってるの?何か間違いがあったら…」
「俺はヒバリの頭の中が間違ってると思う」 ←山本
「そういう訳で刹那の身柄は僕が預かるよ」
『山本、お世話になります』
「おう!!好きなだけ居て構わねぇぜ?」
「聞けェェェいッ!!!」
ゴンッ!!と鈍い音を立てて雲雀恭弥の拳骨が私の頭に落ちて来た。
『いったーいッ!!何すんのよこのウスラトンカチ!!』
「人の話をちゃんと聞きなよ」
『何も間違いは起こらないよ!!』
「いやいやいや。男子中学生の性欲をナメるな。思春期に同じ年頃の女の子が自分の家で風呂に入ったり寝乱れたりしてたら嫌でも下半身が暴走するよ。僕なら絶対に夜這いするって言い切れる」
『それ、あんただけじゃないの?』
「………だから僕の家に来た方が安全だよ」
『もっと危険だよ。絶対嫌だ。それに何だよその間は』
「うるさいな…悪い様にはしないからおいでよ」
『私の面倒が見たいの?』
「べ、別に面倒見たいとかじゃないから。一緒に暮らしてあげてもいいって思ってるだけだから」
『…………』
何かコイツ嫌。生理的に嫌。外見からは似つかわぬ変態っぷりで嫌。
「ヒバリ、刹那も嫌がってるし無理強いすんなって」
「野球部の予算、倍に上げようか検討中なんだけどどうしようかな…」
「刹那、ヒバリん家行け、な?」
『まさかの裏切り!?』
山本、あんたいい奴だね…いい奴だと思ったのに儚くもそれは崩れ去ったよ。買収されやがったよコイツ…!!
「はぁ…仕方ないね…ついて来なよ」
わざとらしい溜め息と如何にも面倒だと言わんばかりの顔をして歩き出す雲雀恭弥。お前、俳優になれるよ。
山本に促された私は何だか納得のいかないまま木ノ葉に戻るまで雲雀恭弥の世話になる事になってしまったのだった。
2009.12.9加筆修正