マフィアと忍者と
□居候先決定
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またかよ、何だよ一体。
私は忙しいの。
カブトをグッチャグチャにボコらないと気が済まないし、何より力欲しさに里を抜けた、(兄さんの言葉を借りれば)愚かなる弟の情報を集めにゃならんのよ。
『まだ何か用?』
仕方がないので口の悪い銀髪の男に聞き返した。
「テメェ、俺達の事忘れてんじゃねぇぞ」
『……………』
そんな事!?
そんな事の為に私を呼び止めたの!?
『いや、忘れてないよ…多分』
「やっぱ忘れてたんじゃねぇか。おいテメェ、刹那とか言ったな」
コイツもいきなり呼び捨て!?
『刹那様とお呼び』
「何でだよ!?果たすぞテメェ!!」
「ご、獄寺くん…相手は女の子なんだから暴力は…」
この銀髪、獄寺って言うんだ。
茶髪の子が制止して私に掴み掛かろうとする手を引っこめた辺り、多分この茶髪の子がボスだ。
「ごめん、獄寺くんああいう人だから…」
申し訳なさそうに謝ってくる茶髪の子。
『気にしてないよ、大丈夫』
「そっか…良かった…あ、と…刹那ちゃん、だっけ?俺、沢田綱吉」
何かよく解らないけどよろしく、と手を差し出された。
私はその手を握り返してよろしく、と返す。
「あっちにいるのが山本で…こっちが獄寺くん」
丁寧に他の人の名前を教えてくれる綱吉。
山本と言う黒髪の男は愛想の良い笑顔で綱吉と同じ様によろしくな、と言った。
それに対して獄寺は顔を背けたままだ。
サスケみたいな奴だな、いじめてやりたい。
『アレは?』
私は残った一人、私が落ちた時に下敷きにした男を指差して綱吉に尋ねた。
「ちょっと、アレって何?僕は物じゃないんだけど」
『うるさいなぁ…あんたには聞いてないよ。黙らないと殴るよ』
「咬み殺されたいの?」
『ねぇ、あんた名前は?』
「…雲雀恭弥」
雲雀恭弥、ね…コイツと獄寺は私のビンゴブック「いつか絶対殴る奴リスト」に名前を書いておこう。
ちなみにこのリストに一番最初に名前を書かれたのはカカシ先生、次はネジ。
「刹那ちゃん、別の世界から来たみたいだけど行く宛あるの?」
行く宛?………ヤバい、そんな事全然考えてなかった。
いや、て言うかその前にさ…
『あんまり驚かないんだね』
「え?うん、まぁ…常に非日常な感じだし、今更何か不思議な事が起こっても気にならないって言うか…」
この子何者?気付いてないみたいだけどそれってかなり凄い事だよ。
まぁいいよ、それより行く宛、行く宛…
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