*。・あまつき 書庫・。*
□最悪の出会い
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気が付いたときはもう辺りは夜だった。
けれど、地面が水面上から土と砂に変わっている。
岩なども無くなっていて辺り一面長屋だらけだ。
私は来てしまったんだ。
ついさっきまで大好きな漫画だった世界の中に…。
『記念に土でも持って帰るか?』
私は土を握り締めながらそんなノンキな事を考えていた。
そういえば梵天は?
見渡してみても人っ子一人いない…それもそうだ。
闇の濃さからして午後10時頃と言ったところ…人がいるとすれば今の時代から夜盗とかそこらのゴロツキ位のものだ。
気を付けなければ…私は今、制服に鞄だけといった軽装で武器になるようなものもなければ武道ができるような強い女でもない。
それに、この時代に制服などと言うものは存在しない。
見つかれば最後…どこかに売られてしまうだろう。
…非常にヤバイ!
それはそうと…
あのナルシスト金長髪もとい梵天様はどこに行った?!(※梵天ファンの方すみません<(_ _)>)
今日の宿どうするかをまず考えなければいけないだろう…一生風俗暮らしだけは避けたいものだ。
「…い!…おい!」
『うるさい!』
そう言う自分もたいがいうるさい。
人目も時間も構わず大声を出している。
自分で言うのもなんだが…ホント迷惑なヤツだ。
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