*。・あまつき 書庫・。*
□無の者の覚醒
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地面には水が張っており、まるで水面上に立っているように感じる。
周りには所々岩が並んでいて、まるであまつきの世界の、丁度梵天の結界の中の様だ。
先程の出来事は決して夢ではないだろう。
だとしたら…
『…死んだのね、私』
「驚いた…俺の夢にリンクしてくるなんて、ね」
不意に背後から気配を感じ、反射的に後ろを振り向いた。
水のようにしなっている金髪、絹のように白い肌、派手なピアスに一風変わった着物。
『…?!梵…天』
後半は辛うじて冷静さを取り戻せた。
が、一瞬の隙を見せてしまったことが誰であれ悔しかった。
「そう、俺さ」
そうは言っても驚きは隠せない。
夜行に梵天、自分が大好きな漫画のキャラクターが次々と自分の死後に出てきたら誰だって驚くだろう。
驚かなかったらそれこそ異常というか…取りあえず、一回頭を検査した方が良いと思う。
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