短編

□会話
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「…やっと終わったね。」

「ああ。」

「かなり疲れたけど楽しかった。」

「ああ。」

「新しい生徒会が決まって、私たちもこれで受験一色かぁ。」

「ああ。」

「今まで一緒にいたメンバーとも中々いれなくなるね。」

「…ああ。」

「放課後に会計が合わないって騒いだり、プリントが消えたって大掃除することもないんだ。」

「……ああ。」

「何で、ああしか言わないの…?」

「……。」

「…寂しい。」

「…お前だけじゃねえよ。」

「!……う、ん。」

「寂しくなっても、会わなきゃよかったなんてねぇだろ?」

「うん…。」

「じゃぁ頑張るしかねぇ。時間は流れるモンだ。止まったままじゃ…止めたままじゃ一緒に進めない。」

「…自分に言い聞かせてるでしょ。」

「ばれたか。」

「へへ、だてに副会長してませんでしたからね、元・会長?」

「頼りになったぞ、元・副会長。」

「…今言うなんてずるい。」
「別に、思ったことを言っただけだ。」

「あ…りがとう。」

「大学でもよろしく。」

「は。」

「当然同じ大学来るだろ?」
「…あんた私の頭知ってるでしょ…。」

「やる前から諦めんのか?」
「そりゃぁ弁護士目指す者としては同じとこ行きたいけど…。」

「好きだぜ。」

「、は?」

「お前の無茶な挑戦」

「…っ!」

「本番3日前に生徒会で劇やろうとか、校長に直談判して食品OKにさせたりとかな。」

「な…、」

「今思えば大成功だったな。」

「当然よ!楽しいこと大好きですから。」

「で、みんなの楽しむ顔も大好きなんだろ。」

「…よく分かってるわ。」

「好きだぜ。」

「無茶な挑戦が?」

「楽しいことが、だ。」

「そんなに私と一緒の大学生活送りたいの?」

「言ってろ。」

「私は…寂しいよ?」

「…俺はもう行く。お前も早く帰れよ。」

「一緒に帰らないの?」

「自習室に行くから。」

「…私も行く。」

「おう。」

「…私頑張るわ。責任とって分からないとこ教えてよ…。」

「俺は厳しいぞ。」

「承知の上。」

「「叶わない夢はない」」
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