短編

□夢の途中
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━━4月。

校庭には桜が咲き、春風が暖かく感じる昼下がり。

相模が丘高校の入学式が終わり、ぞろぞろと新入生が体育館からでてくる。

1人の少年は、陸上部の部室を訪ねた。




…━━━いよいよだ。
待ちに待った陸上ができる。ドキドキする…。
でも嬉しくてたまらない!
部室の前で深呼吸をし、そして一気に元気よく扉を開けた。

「こんにちはー!入部希望の立川颯也です!」


「!おー、よく来たなぁお前、よろしく。頑張ろうな!」
「何々、新入生?か〜っ、若いねぇ!颯也っつーのか、うちの部は部活以外でも仲いいからまた遊びに行こ!」
「お前細いなぁ〜、中学の部活なんだった?もしかして経験者?」

「あ、えと、よろしくお願いします!一応経験者です!」

わ、先輩たちすごくフレンドリー…!でも、なんか噂と違うような気がするんだけど…。

「ポジションどこだった?中学からハンドやってるなんていいなあ!」



「…え、ハンド?」








━━━━━━━━あぁっ、何て俺はバカなんだ。

颯也は荷物を持ちながら全速力で校庭をでた。

ハァッ、くそ、
陸上部は今日は隣の競技場で練習の日だ…!

部室も隣だったし、ああもう本当何やってんだ俺は!
4月とはいえ全速力で走れば汗もでるが、構わず颯也は走る。


パアァンッ…!

その時ライカンの音がなった。


…!着いた…。あぁ早くトラックで走りたい。


「ハァッ、ハァッ、っこんにちはー!に、入部希望の立川颯也です…っ!」


「あれ、こんにちは〜!新入生の子?入部希望?」

わ、優しそうな人!
マネージャーさんかな?

「はい!中学では短距離やってました!」

「そう、じゃぁまず先生に挨拶しよっか。こっちおいで。」

「はい!」

先輩に連れられて先生のところへ行く。

もうすでに練習は始まり、トラックでは練習が始まっている。

先輩に連れられながらもはやる心を止められない。

ああ、走りたい!


「先生!今大丈夫ですか?」
先輩がそういうと、眼鏡に口ひげが特徴の、色黒な強面の人が振り返った。

「新入生の子です。入部希望みたいで、中学では短距離やってたそうです。」

「た、立川颯也です!これからよろしくお願いします!!」


「…おお、そうか。じゃぁ着替えてこい。林田、よろしくな。」

「はい、分かりました。立川くん、こっち。」

「は、はい!!」

林田…先輩っていうのか。
…トラックで走るの久しぶりだな。
今までジョグと柔軟は欠かしたことなかったけど、最後にトラックで走ったのは約一年ぶり。

「あ、今日はまだスパイクいらないから」

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