星のコトノハ
□プロローグ
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遥か昔の時代から、世界の均衡を保つために、
百年に一度星の守護者の入れ替えをしていていた。
水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の8つの惑星。
それぞれに守護者と、その後継ぎとなる時期守護者が存在し、宇宙が正常に機能するように日々統制を行っている。
いわば、守護者とは惑星そのもの。
次期守護者として惑星に踏み入れた瞬間から、
永遠の命を与えられる。
始めの百年は今までの1/10の速さで時が流れ、次期守護者は守護者と共にし、役目を把握し、
守護者となってから百年の間時は止まり、不老となって次期守護者を育てながら任務を全うするのだ。
そして百年経った日、自ら宇宙に還る。それは生を終わらせることを意味する。。
始まりと終わりを、星に支配される一生。
それが繰り返し繰り返し、何億もの昔から受け継がれる、宇宙界のしきたり――…。
「貴方のおかげで今の私が在ります。」
誰にも認められることのなかった哀しい少年が…
「貴女のことは一生忘れません。」
誰も愛することができなかった寂しい少年が…
「今まで、本当に…ありがとうございました。」
感情を表情に表すことが苦手だった歯痒い少女が…
「貴女に出逢えたことに、心から感謝しています。」
自分の意見を持つことができなかった空しい少女が…
「…大好きです。…愛して…いました。」
他人を信じることができなかった孤独な少女が…
「貴女達が保った星の調和を僕も守るため…守護者として尽力します。」
何かに夢中になることができなかった虚しい少年が…
「貴女と過ごした100年間はオレの一生の宝。」
他人を見下したように振る舞い、本当の事を話すことが恐かった少年が…
「…心配しないで下さいね。私(ワタクシ)、もう大丈夫です。」
誰かの後ろについていないと不安で仕方がなかった
怯えた少女が…
今、百年の次期守護者の期を終え守護者となろうとしている。
師と過ごした百年は自らを変え、自らを成長させた。
今、その師との別れを迎え、
それぞれの別れが、
新たな始まりとなるーー。