星のコトノハ
□終わり、そして始まり
1ページ/4ページ
ある惑星の上、辺りは暗く、風が規則なく吹き荒れ、星々は逃げるように遠くから輝きを放っている。
滅多に全員揃うことのない、守護者、次期守護者が全てここに集まり、儀式を行い、
終えてからはそれぞれの時間を過ごし、別れを惜しむ。
規定はないが、主に守護者は次期守護者と2人で最後を迎える。
自分達が乗っている大きな円盤上の場所から一歩前へ進むと、強大な暗闇に飲み込まれ、宇宙に還ることとなる。
いよいよこの時が来たのだ。
――闇還り。
生命の摂理に反する『不老』。
次期守護者となった者は体の時の流れが1/10の速さとなり、
守護者となった者は、体の時が止まる。
正確に言えば、時を止める、儀式を行う。
そして、老いることなく職務を全うするかわりに、
百年が経つと同時に、生命活動を終えなければならない。
反することとなれば世界の均衡は崩れ、一切の生命が滅せられる。
『守護者』の世界に足を踏み入れた時から、誰もが覚悟している時であるが、
いざ迎えてみると、怖く、辛い…。