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□チョコくれませんか
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2月


季節は冬から春に変わる準備を始めている


そして、2月といえば


「雲雀君ー」

「煩いってば、何回言ったら分かってくれるの」

「だって雲雀君がチョコくれないんですもん」


そう、バレンタイン


「君なら腐るほど貰ってるでしょ」

「はい、それはもう腐るほどに」

「…………じゃあ要らないじゃない」

…腹立つ、何だこのパイン

「女子から頂いても嬉しくなんかありません」

「……はぁ…じゃあ沢田や君のとこの仔犬と眼鏡にでも貰ったらいいじゃない」

「犬と千種からはチョコケーキ、クロームからはトリュフを既に頂いていますよ?それに沢田綱吉には興味ありません」

「あ、そ」

何を貰ったかまでは聞いてないんだけど

「ですから恭弥のも頂きたいと」

「そこの段ボールに入ってるの全部持ってっていいよ」

「…………これ、生徒から取り上げたやつですよね?」

良いんですか?、と骸

そして僕は

「違うよ、下駄箱の中と応接室前に散らばってたやつ」

取り上げたのは生徒会室に置いてあるよ、と一言

「……え、では…これ全部…?」

「風紀委員に届けられたヤツだね、鬱陶しい」

「いやいやいや、雲雀君個人に宛てられた物でしょう」

そんな細かいこと気にしなくても良いのに

「まぁ取り敢えずあげる、好きなの持っていきなよ」

「………君ねぇ……」

「何さ、何か文句でもあるわけ?そんなに貰ってるなら僕からのなんて要らないでしょ」


………あれ、なんこれって


「……ヤキモチですか?」

「は!?な、何言ってるの!そんなわけないでしょ!!」

心が読めるのかと、思った

全然そんなことはないのだけれども

「自惚れないでくれる、君にチョコなんてあげるつもりない」

「………………」

あ、ヤバい

そう、思ったとき

「ヒバリ!ヒバリ!」

「……ッ!!」

ヒバードが窓から入ってきて

「ヒバリ、チョコ!アゲル、ムク「あぁぁあぁ!!!」…ヒバリ!ヒバリ!」

余計なことを言ってまた、出ていった

「……………………」


お、お喋りな鳥だね…!

ほら、君のせいで骸の顔がにやけてるじゃないか!!


「雲雀君、ヒバードは今なんて?」

「よ、よく聞こえなかった…よ」

本当は骸だって聞こえてた筈なのに

「おや?では何故遮るような真似を?」

意地悪

「…ぅ、煩いッ!!」

「作ってくれたんですか?」

「……なんで、僕が作った前提なの」

「市販の物でも構いませんよ?」

「そういう問題じゃなくて」

「あぁ、分かりました」

「?」

「そうですか、雲雀君ですか」

「は?」

「では」

意味を理解できないまま

何故か押し倒されてる、僕

「何するのさ!!」

「え?雲雀君がプレゼント、とかそんなベタな感じじゃ「残念、そんな感じじゃなかったよ」………チッ」

舌打ちしたよこのナッポー

「取り敢えず退「きませんよ、残念ながら」……真似しないでくれる」

いちいち癪にさわること言ってくるね

「雲雀君がくれたら、退くかもしれません」

「……本当に?」

「ええ」

ニヤニヤしてるのが何か引っ掛かるけど

「………じゃあ、はい」

ソファーにかけてあった学ランから小箱を取り出して
骸に渡す

「クフフ、ありがとうございます」

「い、言っておくけど…味の保証なんてしないからね…?」

「おや、手作りですか」

あ、墓穴

「ではありがたく、チョコと雲雀君を頂きましょうか」

「…は!?」

え、ちょ、なんで!?

「退くって言ったじゃない!!」

「退くかもしれません、と言ったんです、人の話はちゃんと聞かないとダメですよ?」

「む、ムカつく…ッ!!」


そして僕は


「…ッ止め、て…ッてば!!」


風紀委員宛の大量のチョコと共に


「本当は厭じゃないくせに、素直じゃないですね」




骸に美味しく頂かれた
















(あ、雲雀君見てみてください)
(………何)
(ミルクチョコレートのようですよ)
(お願い死んで)




end

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