NOVEL
□君と春風とある一日
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「君は何回ここに来たのかな?」
そう嫌味を言われエドワードはしかめた顔をかくそうともせず聞いた。
「何だ?反省文でも書けばいいのかよ」
全く悪びれていないエドワードに、ロイはためいきをついた。
「はぁ・・・書いたところで同じだろう。それに、読むのが面倒だ」
教師にあるまじき言葉にエドワードは声をあげた。
「この給料ドロ――」
「なぜ」
エドワードの声に重なるようにロイがたずねる。
「なぜ君は授業に出ない?・・・確かに授業にでなくてもいい頭脳の持ち主なのは分かるが」
ここへくる度に毎回聞かれる質問。
(答えれるわけがねぇだろ・・・。アンタに構ってほしいからなんて)
静寂が2人を包んだ。
「君はいつもこの質問には答えてくれないな」
エドワードは俯き黙ったままだ。
ロイはさらに続けた。
「ここに来るのは嫌なんだろう?」
「嫌じゃない!」
ロイが そう言った瞬間、エドワードは俯いていた顔を上げ即答していた。
「え・・・?」
「あ・・・」
お互い見つめあったまま気まずい沈黙が流れた。
エドワードは自分の頬が熱くなっていくのを感じた。
言い訳を考えようとするのだが頭が真っ白で、とても考えれる状態ではなかった。