NOVEL
□君と春風とある一日
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君と春風とある一日
「こういう日って眠くなるのも当然だろ」
そう言いながらエドワードは屋上への階段を上った。
授業開始のチャイムが鳴るのにも構わず屋上のドアを開ける。
春の暖かな日差しが降り注ぐこの場所はサボり場所にうってつけだ。
適当な場所を見つけ寝転ぶ。
校庭から聞こえてくる生徒の声を聞きながらエドワードは眠りについた。
「・・ド・・・きなさ・・・エド・・・おい・・エドワード!」
突然の大声に一瞬で覚醒すると目の前には見慣れた男の顔が。
「またこんなところにサボりに来て。全く君という子は」
あきれたように言うのはロイ・マスタング。
「何でアンタがここにいるわけ」
少し睨みながらそういうと、ロイは深くため息をついた。
「君のその態度は相変わらずだね・・・まぁいい。君の担任からエドワード君が授業に出てくれないと泣きつかれたんだよ。君が行きそうなところは大体把握しているからね。ここへ来てみたんだよ」
すらすらと答えられエドワードは顔をしかめた。
「だからって担任はなんでアンタに頼んだんだよ。そういやこの前サボった時だってアンタが・・・」
ロイはちらりといまだ納得がいかないエドワードを見る。
「忘れたのか?私は生徒指導の者だ」
そう言われエドワードは言葉につまった。
「・・・っ!でも・・・!」
「言い訳は聞かないぞ。君は現にサボっていただろう。」
さぁ行こうか。と言われ、エドワードは反射的に答えた。
「どこに?」
「決まっているだろう、生徒指導室だ」