連載小説

□永遠。 第一話(※)
2ページ/8ページ

「う……………」

意識が、覚醒する。

俺は、どうしたんだっけ………?

頭がぼんやりして何も認識してくれない。
けれども時間が経つにつれ、段々と記憶が蘇る。

バーでの出来事。

アキラへの陵辱。

そして………またアキラと再開して闘った。

その時アキラの血を飲んで……………。

そこまで考えてハッと考える。


アキラは?


アキラは何処にいるんだ?


そう考えた瞬間、一気に意識が覚醒する。

「アキラ!!!」

言葉と同時に起き上がろうとするが、身体はギシギシと痛んで言う事を聞かない。
自分の身体に苛立ちを募らせると、近くから覚えのある血の匂いと、独特の青臭い匂いが鼻孔を刺激する。

思わず眉をしかめ、その匂いの方向を見る。





そこには。





ボロ雑巾のように打ち捨てられた人が、倒れている。

何か嫌な予感がする。

痛む身体に鞭打って、起き上がりそちらをしっかりと見る。

ケイスケの呼吸が、止まった。



何で、どうして。



倒れている人物。



それは紛れもない、ケイスケが誰よりも愛するアキラだった。

「アキラ!」

足をもつれさせながらも急いでそちらに駆け寄る。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ