過去拍手文

□11月22日限定拍手文(※)
2ページ/2ページ

「アキラ………」

「ケイスケ………」

荒い息を吐きながら、互いの名前を呼び合う。

今日だけで一体何度身体を重ねただろうか。

そんな事、分からなくなる位に求め合った。
いや、求めたのは自分だけかもしれない。


いっそドロドロに溶けて一つになれればいいのに。
そんな事、無理なのは分かっている。

だから求める。

繋がっていれば、一つになれる。
そんな気がしたから。

「ケイ……ス、ケ………?」

散々涙を流して潤んだ瞳でアキラが不安そうにこちらを見上げてくる。

「ごめん、アキラ」

「………?」

「まだ、アキラが、足りない」

そう言うと同時に、アキラの中に未だ存在する雄で思い切り一突きする。

「っ………!は、ケ………っんん!」

これ以上はされないと思っていたのだろう。
突然の快感にアキラが涙する。

その涙があまりに綺麗で、舐めとる。
アキラのものは何一つ、取りこぼしたくない。

アキラが欲しい。

アキラの全てが………欲しい。

「んっ、んっ…………ゃ、ぁ、ぁああ!」

アキラの甲高い嬌声で、我にかえる。

いつの間にか二人共達していたようだ。

アキラの腹には、殆ど色のない精液が散っていた。

その精液が、腹を伝って布団に零れ落ちそうになるのを思わず指ですくい上げて舐め啜る。
いつもより、味の薄いそれ。
けれども確実に愛しいアキラの味がする。

いつもこんな事をすればアキラにひっぱたかれる。
けれども今のアキラには、それをする程の体力など残っていない。

むしろあれだけ激しくしたのに意識があるのが不思議な位だ。

そして、今のアキラはただただ、焦点の合わない目でケイスケだけを見つめている。

「ケ……ス…ケ…」

何かを伝えたいようだが可哀相に、掠れきった声は殆ど吐息と化す。

ケイスケは、アキラの口元に耳を傾ける。

「     」

弾かれたように顔を上げる。
たった一言。
けれどもそれはケイスケの心を満たすには充分で。

今度はケイスケが泣く番だった。
アキラの胸に頬を擦り付け、愛を囁きながらひたすらに泣いた。


その一言は、二人だけの秘密。

ケイスケだけに囁かれた、甘い甘い愛の言葉。





end
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ