小説
□愛情表現(※)
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少しずつ暑くなってきた日。
初めての有休を使って二人(主にケイスケ)は、ある計画をしていた。
それはホテル付き遊園地に一泊しようという話だ。
というのも、工員の一人がそこの職員と知り合いで、自分達も招待券を貰ったのでせっかくだから二人で行く事になったのだ。
ケイスケは旅行に行きたかった様だが、二人の給料ではなかなか難しい。
それでも泊まりは泊まりだ。
滅多に無い遠出にアキラは少なからず興味を惹かれていた。
「アキラ!次あれに乗ろう!」
「慌てるなよ………」
案の定、と言うべきか。
やはりケイスケのはしゃぎ様は半端ではない。
「だって、遊園地なんて初めてなんだよ!」
確かに初めてではあるが、そこまで興奮する事なのだろうか。
「それに、アキラとデートらしいデートするのも初めてだし!」
言われて頬が熱くなるのを感じる。
「バカ!さっさと行くぞ!」
「あっ!?待ってよアキラァー!」
恥ずかしさを紛らわす為に早足で先を進む。
………何故臆面も無くあんな事が言えるのだろうか。