小説
□恋の味(※)
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工場の帰り道。
アキラはスーパーである物を見つけた。
「苺?」
「ああ、安いから買ってきた」
そう、アキラが見つけた物とは苺だった。
「アキラ、苺好きだもんね」
言われて頬が仄かに紅くなる。
「別に………嫌いじゃないだけだ」
アキラの嫌いじゃないは好きという事。
素直じゃないアキラにケイスケは微笑む。
「アキラ、練乳って知ってる?」
「練………乳?」
「苺にかけるとね、甘くて美味しいんだよ」
練乳という物を知らないアキラは、少なからずそれに興味を引かれた。
「せっかくだから買いに行こうか」
「ああ」