小説

□cherry blossom(※)
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愛しい人と二人きりで見る桜。





それはずっとずっと望んでいた願い。










「アキラ、見て見て!桜だよ!」

「言われなくても分かる。あんまりはしゃぐなよ」

「へへ…ごめん。だって楽しくて仕方ないからさ」

アキラと二人、近所の公園で花見。
言ってみればそれだけなのだがケイスケにとっては特別なイベントである。

「…アキラは楽しくない?」

「まだ着いたばっかりだろ…。楽しいも楽しくないもない」

「は…はは、そうだね…。それじゃあ行こうか」

「ああ」

公園入り口でいつまでもこうしていても無駄なので、園内へ入る事にする。

平日という事もあり、園内はそれ程人もおらず、居るのは小さな子供達や付き添いの親がほとんどだ。
人ごみが苦手なアキラにとっては良かったと内心ほっとする。

「あんまり混んでなくて良かったね」

「そうだな」


園内を歩いていると、なかなか大きな桜があった。


「ここにしようか」

アキラもコクリと頷いたので、持ってきたシートを敷いて座る。
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