小説

□愛おしい朝
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柔らかな陽光に包まれ目を覚ます。

隣には幼い頃からずっと想い続けていた愛しい人が安らかに眠っている。

ケイスケはアキラの寝顔をうっとりと見つめた。

女性のように丸くなく、かと言って男性のように骨張った訳でもない輪郭。

いつもは寡黙だけど、自分の名を呼んでくれて、時には甘い声もあげる紅く柔らかい唇。

少し癖があって、でも指通りがよくふわっとする灰青の髪。

そして今は閉じられているが、髪と同じ色の睫の下に眠る、真っ直ぐで、純粋な海のように深い青の瞳。



かつては決して触れる事は叶わないと思っていた。

何度も何度も諦めようとした。

でも結局諦められなくて。

そうして長い間保っていた細い糸も、彼の心無い一言であっさり千切れた。

もう、何も考えられなかった。

いや、アキラの事だけは考えていた。

アキラを守りたい。

アキラと対等になりたい。


アキラに笑って欲しい。

アキラの泣き顔が見たい。

アキラの………死に顔が…見たい。
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