過去拍手文

□過去拍手文3(6/12〜7/31)
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今、アキラは何をしてるだろう。

もう仕事終わったかな。

帰ってる途中かな。

早くアキラに会いたい。そんな思いばかりが先行して何も手につかなくなってしまう。

ひょっとしたら近くに戻ってきているかもしれない。

少し窓を開けて外を見てみる。
特に人影は見れない。

少し残念に思いながらも、ふと空を見上げる。

空には満月。

透き通った空気がより一層透明さを引き立てる。

アキラみたいだな。

何故か、そう思った。

誰もが羨む美しさ。
真っ暗な夜空に気高く凛と輝く月。
決して語りかけてはこないが、どこか優しく、温かさを感じる。

こんな事言ったらアキラはどんな顔をするだろう。

呆れるかな。

それとも、恥ずかしがって真っ赤になるかな。

早く、アキラに会いたい。
抱きしめて、アキラの存在を感じたい。
一緒に月を眺めて取り留めのない会話をしたい。

耐えきれなくなって迎えに行こうと窓を閉めようとした。

その視線の先に、アキラがいた。
遠いので表情までは分からないが月を眺めているようだ。

ああ、綺麗だ。

心の底からそう思う。


やがてアキラが早足で家への道を歩き始める。

早く、帰ってきて。アキラ。
そうしたら、いつもみたいに言うから。










「おかえり!アキラ」











「ただいま。ケイスケ」

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